①面接は面接前からスタートしている。
転職での面接対策は、面接官から聞かれたことをそのまま答えていれば良いというわけではありません。事前の準備と計画によって、入社できるかどうかが決まると言っても、過言ではありません。
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面接を受けに行かれるあなたは面接官に初めて会うでしょうが、面接官は事前に履歴書や職務経歴書を見ているので、ある程度はあなたの第一印象は“面接前”に出来上がっています。
では、どのような対策をしたらよいのでしょうか?
②全く違ったことを言わないこと。
あなたが企業に送った履歴書と職務経歴書は、面接前にしっかりと確認されておられますでしょうか?
よくある面接失敗のパターンとして、“書類に書いてある内容と面接時に言っている内容が全く違う”というパターンです。
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例えばですが、提出した書類の中に退職理由の記入欄があったとします。書類にはこう書かれていました。
これからのキャリアアップのために転職したいと思いました。
しかし、面接時には、
人間関係がこじれて、辞めさせて頂きました。
というように、言ってしまえば大変なことになります。こうなると、ほぼ確実に落ちたようなものです。
また、退職理由だけでなく、志望動機や前職での経験など、提出した書類の中身と面接時に言っていることが食い違っていて、思わぬところで面接官に不快感を持たせてしまうことがあります。
こうならないためにも、まずは提出した書類を見つつ、書類の内容を確認しつつ、自分が言うべきことを、頭の中にしっかりと叩き込んでおきましょう。
③メラビンの法則
面接時には、話している内容もそうですが、最も重要なことは“視覚”からの情報。つまり、身だしなみが最も重要とも言われております。メラビンの法則という法則があり、
「人がコミュニケーションを取る際に、相手のどこを重要視するのか?」
というデータがあります。
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コミュニケーションにおいて、相手が自分に対して持つ印象は、
- 見た目などの視覚情報が55%
- 口調や話の早さなどの聴覚情報が38%
- 話の内容などの言語情報が7%
面接でどんな話をしようか、アレコレ考えていること=話の内容は7%しか印象を与えません。故に、まずは相手に与える第一印象の55%の割合である、見た目の印象には特に気を配る必要があります。
では、面接時にはどのような服装で臨むべきなのでしょうか?
面接時の基本は、「ビジネススーツ」姿が“基本”になります。
応募先を考えて「面接という場面に、ふさわしいかどうか」を主眼に置いて、服装を選びましょう。
基本的に面接はビジネススーツが基本ですが、例外として、アパレル業界に行きたい女性が、ファッションセンスの良さを見せるために、わざと私服で面接をしに行くということもあります。
とは言いましても、あくまで、そういった例は例外です。
基本は「ビジネススーツ」応募先を考えて「面接という場面に、ふさわしいかどうか」を見極めて、服装を選びましょう。
④服装
面接時の服装ですが、
メンズスーツ
紺やグレーの無地が良いです。面接次と言えば、このオーソドックスな色合いのスーツが好印象を持たれがちです。逆に、派手な色合い・柄といったスーツは避けるべきです。また、スーツはシングルの3つボタン。もしくは2つボタンのスーツがスタンダードです。
ダブルのスーツは礼服を印象付けてしまうかもしれませんので、避けた方が無難です。あとは、自分の身長や体形に合ったスーツを選びましょう。
レディススーツ
レディススーツの場合、色合いは黒かグレーのものが、オーソドックスです。色合いは、極端に明るい色や、派手な色・柄というものは避けましょう。
上着はボタン1つ、2つ、3つのものから、好みで選んで頂いても構いません。
ボトムの方も、スカートとパンツスタイルがありますが、これも好みで選んでいただいても構いませんが、面接時の主流はスカートスタイルになります。
面接時のスカートは、タイトスカートが一般的と言われます。故に、フレアタイプやキュロットなどのデザインは面接時には避けた方が無難です。
シャツ&インナー
男性女性とも、白系統のものが基本となります。白は清潔感があり、スーツやネクタイなどの色がどんな色であれ、合いやすいメリットがあります。
また、個性を出すために、薄いブルー。女性でしたら、薄いピンクなどのカラー物もスーツに合えばOKです。もちろん、派手な色・柄といったものは、避けましょう。
ネクタイ
男性でしたら、ネクタイは必須です。ネクタイに関しては、一般的な色・柄のものをつけておけば、問題ありませんが、色によって、相手に与える印象が異なってきます。
例えば、赤やエンジ系は「熱意」をアピール。青や紺でしたら「爽やかさ・信頼感」をアピール。黄色系でしたら「明るく活発なイメージ」を相手は持ちやすいと言われています。実際に、こういうことを考えて、ネクタイを選ぶことも1つの手です。
シューズ
男性でしたら、黒のビジネスシューズがベストです。女性でしたら、黒のパンプスがベストです。パンプスと言いましても、ヒールが高すぎて仕事がしづらいイメージを持たれると大変ですので、なるべく歩きやすいようにヒールは5cm程度のパンプスにしましょう。
もちろん、ハイヒールやミュールと言ったものは面接にふさわしいとは言えないので、避けましょう。
バッグ
革製やナイロン製がありますが、なるべくでしたら、実用性が高いバッグを選びましょう。軽く汚れにも強いと何かと助かります。
また、面接時には椅子で座ってでの面接が多いですので、床に置いても自立するタイプが最適です。大きさはA4ファイルが折らずに、すっぽりと入るような大きさであればベストです。
⑤不採用理由
転職する際には、もちろん、合格できる要素を把握することが大切ですが、それ以上に“不採用”になりやすい要素を把握する方が重要と言えます。転職面接時の不採用の理由は色々とありますが、その中でも最も大きい理由は
・やる気(主体性)が感じられない。
という統計データがあります。では、やる気や主体性というのは、どういったところから伝わるのでしょうか?最も良くわかりやすいのは、志望動機として、どうして弊社で働くのか?という志望動機です。志望動機を何かの書類には書くものの、それが本当に伝えたいことではないことが多かったりもします。
多少言い回しが下手でも、緊張していて思うように話せなくても、伝えたいことがあって伝えようと努力したら案外、伝わるものです。
企業の面接官はあなたの話を聞くために時間を割いています。それなのに、あなたの話が焦点のぼやけたものや、中身のないものでしたら、期待外れに終わってしまいます。伝えたいことを明確にする。これがなければ話になりません。
また、伝えたいことがあったとしても、それが自分の価値観や信念に根付いていなければ、ただの虚言でしかありません。面接官のご機嫌取りをするあまり、自分を偽り、耳障りのいい言葉を紡いだとしても、そのうち見破られるのがオチです。
テクニックに頼るのではなく、自分に誠実に、相手に誠実に、伝えるべきことを伝えることが重要になってきます。
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また、熱意も大切です。中途採用の場合は、今まで培った経験もありますが、入社してからでは身に付かない資質も、だから熱意。私はこれをやりたい、という強い想い。その会社で働きたいという、強い想い。
そのような想いを持つことが大切です。では、逆に言えば、どのようにして、そのような想いを伝えることが出来るのでしょうか?
⑥熱意を見せるには?
熱意を見せるに、手っ取り早い方法は、“質問”することです。
良く面接が終わる間際で、求職者から面接官に質問できる時間があるかと思います。採用面接の最後に聞かれるお決まりといえば
何か質問はありますか?
というフレーズを面接官から言われたとしたら、これは“大チャンス”になります。
この会社に入りたい、と思っていたら、聞きたいことがたくさんあることが普通と面接官は考えますので、「特にない」と言われる方は、
- もう面接で疲れきっていて、早く解放されたい。
- 質問は考えてなかったので、瞬時に頭が回らない。
- 本当はこの会社に興味はない。
- もう面接で疲れきっていて、早く解放されたい。質問は考えてなかったので、瞬時に頭が回らない。本当はこの会社に興味はない。ということが疑われ、落とされる可能性が高くなります。
つまり、
『場合によっては、この「何か質問はありますか?」の返答は面接の中でも一番大事なものになり得ます。』
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例えばですが、いくつかの質問事項を載せておきます。
具体的な一日の業務の流れがどのようなものか教えていただけませんでしょうか?
入社までに準備・勉強しておくべきことがあればぜひ教えていただきたいのですが?
○○様(面接官)にとって、この仕事・職場の最大の魅力は何だとお考えですか?
逆に、この仕事の大変なところとして心得ておくべきことは何かありますでしょうか?
御社の社員として強く意識しておくべきことや心がけは何かございますか?
○○様はどうしてこの会社に入社されたのですか?
(面接官が役員や事業主の場合)
今後はどのように事業を拡大していくのでしょうか?
御社のロゴマークは以前から好きなんですが、どういう意味があるのでしょうか?
面接官の○○様が新入社員時代に経験され、その後の社会人生活で役に立った話を教えてください。
今回、求人を募集されており、応募させて頂きましたが、どのような採用側のニーズがあり、求人を募集されたのでしょうか?
1年のうちで繁忙期はいつでしょうか?
→何月と答えられた際は
それは何でなのでしょうか?
と切り返す。
などなど、いろいろと質問は練れます。あとは、このような質問を4,5個持って、タイミング良く質問いたしましょう。聞きたい質問をすべて言い終えたら、
お時間取って頂きありがとうございます。
きっとお役に立てると思います。よろしくお願いします。
とニッコリと微笑みつつ、お礼を言えば、なお良しです。
⑦タブーな質問
面接官に質問するということは、チャンスにもなりますが、時には逆にピンチになることもあります。その典型例として、案外やりがちなことは、
「会社案内やホームページに載っていることをそのまま聞いてしまうこと」です。
調べれば、すぐにわかることなのに、それを聞くということは、
この人は、うちの会社のこと調べてないな。
と思われる可能性があります。
また、「プライベートすぎる質問も避けるべき」です。面接官の方に、
○○様は、何人家族でいらっしゃいますでしょうか?
というように、企業の社員を採用するというのに、その企業とは関係ないプライベートなことに首を突っ込みすぎるのも良くありません。あと、これもありがちなことですが、「年収や福利厚生などの待遇面の質問は避けましょう。」
質問するタイミングにもよりますが、これらは面接次ではなく、内定後の面談などで話し合うと良いとされている事項であり、面接時に話し合うと悪い想像が容易に出来ます。
例えばですが、知り合ったばかりの相手からいきなり
給料はいくらですか? 残業は多いのですか?休日出勤はありますか?
などと聞かれたら、とてもその人にやる気がある、という印象は持ちづらくなるかと思います。
⑧あとは堂々と、態度で示して
最後に自信を持って、堂々と面接に臨みましょう。いくら口で良いことを言ったとしても、態度で悪い印象を持たせてしまえば、不採用になることが良くあります。
胸を張って、自信をもって、自らを企業に「売り込もう!」という気持ちを強く持って、就職活動をしていきましょう。
それでは、次に内定後の対応を見ていきたいと思います。
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