仕事を辞めたいけど、何から手をつけていいかわからない…まず誰に言えばいいの?
「退職したい」と決意したものの、いざ 退職を誰に言う のが正解なのか、タイミングはいつがいいのか、悩んでいませんか?円満に辞めたいのに、トラブルになったらどうしようと不安になりますよね。
この記事では、法的な根拠から具体的な伝え方、退職までの全手順を、誰にでも分かるように徹底解説します。
この記事は、厚生労働省のデータや実際の判例、さらには転職市場のリアルな動向まで踏まえ、あなたの円満退職を全力でサポートします。
この記事でわかること
- なぜ最初に「直属の上司」に言うべきなのか、その理由がわかる
- 就業規則より民法が優先される「退職の権利」について知れる
- 上司への具体的な切り出し方と会話シミュレーションができる
- 円満退職を実現する引き継ぎと挨拶のポイントがわかる
- 転職で不利にならないための「リファレンスチェック」の知識が身につく
そもそも、なぜ退職の「伝え方」が重要なのか?キャリアを守る3つの理由
辞める会社に、なんでそんなに気を使わないといけないんですか?
転職が当たり前の時代、辞めた会社の人と将来どこで再会するかわかりません。「会社の外での評判」が、あなたのキャリアを守る武器になるんですよ。
ここでは、退職の「伝え方」一つで、あなたの未来が大きく変わる可能性がある3つの理由を解説します。多くの方が「辞めるだけなのに、なぜ面倒な配慮がいるのか」と感じるかもしれませんが、その背景には現代のキャリア事情が大きく関係しています。


理由1:転職が当たり前の時代になり「会社の外での評判」が重要に
ポイントは、「終身雇用」という考え方が過去のものになった点です。日本の平均勤続年数は約12年で推移しており、多くの人がキャリアの中で複数回の転職を経験する時代になりました(出典: 労働政策研究・研修機構(JILPT))。
これは、あなたが辞める会社の上司や同僚と、将来どこかのビジネスシーンで再会する可能性が十分にあることを意味します。「立つ鳥跡を濁さず」という言葉通り、悪い評判を残して退職することは、未来の自分のビジネスチャンスを潰してしまうリスクになりかねません。
理由2:「リファレンスチェック」の普及で円満退職が武器になる
最近の転職市場、特にIT業界や外資系企業、管理職の採用で急速に普及しているのが「リファレンスチェック」です。
【用語解説】リファレンスチェック
採用候補者の以前の職場の上司や同僚に、その人の働きぶりや人柄について問い合わせることです。
リファレンスチェックの導入企業は3〜4割に達しており、あなたの退職時の態度が、次の会社の採用担当者に伝わる可能性は決して低くありません(出典: バックオフィスメディア)。
円満に退職し、元上司や同僚から「彼は最後まで責任感があった」という評価を得ることは、転職活動における強力な武器になり得るのです。
理由3:退職交渉がこじれると、心身を消耗し次のキャリアに響く
退職の伝え方を誤り、会社との関係がこじれてしまうと、精神的に大きな負担となります。引き止めが執拗になったり、嫌がらせを受けたりするケースも少なくありません。
このような状況は、心身をすり減らすだけでなく、転職活動へのエネルギーも奪ってしまいます。スムーズな退職は、不要なストレスを避け、万全の状態で次のキャリアをスタートさせるための重要なリスク管理と言えるでしょう。
【結論】退職の意思は、まず「直属の上司」に伝えるのが鉄則
退職したいんですけど、正直、上司に言うのが一番気まずいです…。人事に直接じゃダメですか?
その気持ちは分かりますが、上司を飛ばすのは話をこじらせる元です。なぜ「直属の上司」が鉄則なのか、その理由を解説します。
退職を決意した際に、あなたが最初にその意思を伝えるべき相手は、ただ一人。それは「直属の上司」です。ここでは、なぜそれが鉄則なのか、そして伝えるべきタイミングについて、理由を明確に解説します。


なぜ人事や社長ではなく「直属の上司」なのか?
多くの方が「人事に直接言った方が話が早いのでは?」と考えるかもしれませんが、それは組織のルールを無視した行為と見なされ、かえって話をこじらせる原因になります。
ポイント
【組織の指揮命令系統を守る】
あなたの日々の業務を管理し、チームの状況を最も把握しているのは直属の上司です。上司を飛び越えて報告することは、その上司の管理能力を否定することにも繋がりかねません。
【引き継ぎの責任者が上司である】
あなたが辞めることで生じる業務の穴をどう埋め、誰に引き継ぐかを計画するのは、直属の上司の重要な役割です。最初に相談することで、上司はスムーズな引き継ぎ計画を立てることができます。
【信頼関係の問題】
これまでお世話になった上司に先に伝えず、他のところから話が耳に入るのは、人間関係における信義に反すると考える人が多いのが現実です。
最初に直属の上司に伝えることは、組織の一員としてのマナーであると同時に、あなたの退職プロセスを円滑に進めるための最も合理的な戦略なのです(出典: doda)。
いつ伝えるべき?退職希望日の「1~3ヶ月前」が社会人のマナー
法的には後述する通り2週間前の申し出でも退職は可能ですが、円満退職を目指すなら退職希望日の1〜3ヶ月前に伝えるのが一般的な社会人のマナーとされています。
なぜなら、会社側もあなたの後任を探したり、業務の引き継ぎを行ったりするための準備期間が必要だからです。多くの企業の就業規則でも「1ヶ月前まで」などと定められており、この期間を目安に交渉を始めるのが現実的です(出典: freee)。
【体験談】上司を飛ばして人事に伝えて後悔したケース
【30代男性・上司との関係が悪化していた事例】
体験談では、このルールの重要性を物語っています。
上司に直接言うのが怖くて、先に人事に退職相談をした30代男性。結果として、人事から話が伝わった上司に「なぜ俺に言わないんだ」と詰められ、退職までの1ヶ月が地獄のように気まずくなったそうです。
「順番を守ればよかった」という彼の後悔は、円満退職を目指すすべての人が心に留めておくべき教訓と言えるでしょう。
退職を伝える相手とタイミング
- 誰に言うか:まず「直属の上司」に伝えるのが鉄則。組織のルールと人間関係を守るため。
- いつ言うか:円満退職を目指すなら、退職希望日の「1〜3ヶ月前」が社会人としてのマナー。
- 失敗例:上司を飛ばして人事に伝えると、関係が悪化し、退職までの期間が気まずくなるリスクがある。
就業規則と法律(民法627条)、どっちが優先?退職の権利を知って不安を解消
会社のルールで「退職は3ヶ月前に言え」って書いてあるんですけど、そんなに待てません…。
大丈夫です。会社のルールより、あなたの「辞める権利」を守る法律の方が強いんです。
まず知っておきたいのが、あなたの「辞める権利」を守ってくれる法律の存在です。ここでは、就業規則と法律の関係をスッキリ整理します。


2週間で辞められる「民法第627条」とは?
日本の法律には、民法第627条という条文があり、これが労働者の退職の自由を保障しています。
【用語解説】民法第627条
期間の定めのない雇用契約(正社員など)について、労働者はいつでも解約の申し入れができ、申し入れの日から2週間が経過すれば雇用契約が終了する、と定めた法律です。
つまり、極端な話をすれば、あなたが「2週間後に辞めます」と会社に伝えれば、会社の合意がなくても退職の効力が発生するということです。これは、労働者を不当な長期拘束から守るための、非常に強力な権利なのです(出典: さいたま法律事務所)。
就業規則の「〇ヶ月前ルール」に法的な強制力はない
では、就業規則の「3ヶ月前ルール」と民法の「2週間ルール」、どちらが優先されるのでしょうか?
【結論】
- 民法の「2週間ルール」が優先されます。
過去の裁判例でも、民法で定められた2週間を超える予告期間を就業規則で定めることは、労働者の退職の自由を不当に制限するものとして無効と判断されています。これは厚生労働省も公式な見解として示しています(出典: 厚生労働省)。
ただし、これはあくまで「法律上の最終手段」です。円満退職のためには、まず就業規則を尊重する姿勢を見せ、その上で退職日を交渉していくのが賢明な進め方です。
【判例】会社の「許可」を不要とした高野メリヤス事件の教訓
この判例は、退職が労働者の基本的な権利であることを明確に示しており、あなたが不当な引き止めにあった際の強力な理論武装となります。
就業規則と法律の関係
- 法律の力:民法627条により、正社員は「2週間前」の申し出で退職できる権利が保障されている。
- 優先順位:会社の就業規則より、民法が優先される。
- 心構え:法律はあくまで「お守り」。円満退職のためには、まず就業規則を尊重する姿勢で交渉するのが賢明。


【完全再現】上司への退職の切り出し方から伝える内容まで4ステップで解説
いざ上司に伝えるとなると、緊張して何を話せばいいか…。
大丈夫です。アポ取りから実際の会話まで、4つのステップで完全シミュレーションします。この通りに進めればスムーズですよ。
ここからは、いよいよ実践編です。実際に上司へ退職を伝えるための具体的なアクションを、4つのステップに分けて解説します。文例も豊富に用意したので、ぜひ参考にしてください。


上司へのアポイントを取る(メール・チャット文例付き)
まずは、上司と1対1で話す時間を確保します。廊下や執務スペースでの立ち話は絶対に避け、会議室など他の人に聞かれない場所を指定しましょう。
ポイントは、「相談したいことがある」とだけ伝え、要件を具体的に書かないことです。チャットなどで退職の意思を伝えてしまうと、正式な報告と見なされず、ビジネスマナーを疑われる可能性があります。
【メール・チャット文例】
件名:面談のお願い(田中)
〇〇部長
お疲れ様です。田中です。
少々ご相談したいことがございまして、15分ほどお時間をいただくことは可能でしょうか。つきましては、以下の日程でご都合のよろしい時間帯をお教えいただけますと幸いです。
・〇月〇日(月) 13:00〜17:00
・〇月〇日(火) 終日お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
退職を切り出す際の会話シミュレーション
面談の場では、緊張すると思いますが、以下の流れを意識するとスムーズに話を進められます。
① 感謝の言葉から入る
「お忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。」
② 退職の意思を明確に、しかし丁寧に伝える
「突然のご報告で大変恐縮なのですが、一身上の都合により、退職させていただきたく考えております。」
ポイント: 「退職しようか迷っていて…」といった相談口調は、引き止めの余地を与えてしまいます。退職の意思が固いことを、冷静かつ明確に伝えましょう。
③ 退職希望日を伝える
「退職日につきましては、引き継ぎの期間も考慮し、〇月末を希望しております。」
④ 質疑応答
上司から退職理由などを質問されます。次のステップで解説する「伝え方」を参考に、誠実に対応しましょう。
退職理由の伝え方(言ってはいけないNG理由と好印象な理由)
退職理由は、伝え方次第で相手の印象が大きく変わります。本音は会社への不満にあったとしても、それをストレートに伝えるのは得策ではありません。
言ってはいけないNG理由の例
【人間関係の不満】
「〇〇さんと合わない」→個人的な問題と捉えられ、改善を提案される可能性がある。
【給与や待遇への不満】
「給料が低い」→「給与を上げるから残ってくれ」と引き止め交渉の材料になる。
【会社の批判】
「この会社の将来性が見えない」→その場で感情的な対立を生むだけで、何も解決しない。
好印象を与える前向きな理由の例
【キャリアアップ】
「〇〇の分野で専門性を高めたいと考えており、それが実現できる環境へ挑戦したく存じます。」
【やりたいことへの挑戦】
「以前から興味のあった〇〇の業界で、自分の可能性を試してみたいという気持ちが強くなりました。」
【家庭の事情など】
(事実であれば)「家族の介護のため、働き方を変える必要が出てまいりました。」
ポイントは、会社側が介入・解決できない、個人のポジティブな意思決定であることを示すことです(出典: 退職サポーター)。
強い引き止めにあった場合の冷静な対処法
「君がいないと困る」「今辞められるとプロジェクトが回らない」といった強い引き止めにあうことも想定されます。
もし強い引き止めにあったら、どうすればいいんですか…?
まずは感謝を伝えつつ、退職の意思が固いことを改めて冷静に伝えましょう。感情的にならず、毅然とした態度で臨むことが大切です。
それでも「辞めさせない」などと威圧的な態度を取られた場合は、先ほど解説した民法627条の存在を思い出してください。最終的には法律があなたの権利を守ってくれます。
上司への伝え方まとめ
- ステップ1:アポ取り:「相談がある」とだけ伝え、1対1で話す時間を確保する。
- ステップ2:切り出し方:感謝の言葉から始め、退職の意思を「明確に」伝える。
- ステップ3:退職理由:会社の不満ではなく、「キャリアアップ」など前向きな理由を伝えるのが円満のコツ。
- ステップ4:引き止め対策:感謝しつつも、意思が固いことを毅然とした態度で示す。
退職願・退職届の正しい提出フローと書き方
退職願と退職届って、何が違うんですか?どっちを出せばいいの?
円満退職なら、まずは「お願い」をする『退職願』です。それぞれの役割と書き方を解説します。
上司との面談で退職の合意ができたら、次は書類の手続きです。ここでは「退職願」と「退職届」の違いから、具体的な書き方まで解説します。


「退職願」と「退職届」は何が違う?出すべきはどっち?
この2つは似ているようで、法的な意味合いが異なります。
それぞれの違い
【退職願】
「退職させてください」と会社にお願いする書類。会社が受理・承諾するまでは撤回が可能です。円満退職の場合は、まずこちらを提出するのが一般的です。
【退職届】
「退職します」と会社に通告する書類。提出された時点で退職の意思表示が完了したと見なされ、原則として撤回できません。
【結論】
- まずは「退職願」を提出します。
- 話し合いがこじれ、どうしても退職を認めてもらえない場合に、最終手段として「退職届」を内容証明郵便で送付する、という流れになります。
提出のタイミングと相手は「上司の指示に従う」のがベスト
退職願をいつ、誰に提出するかは、会社の規定によって異なります。上司に退職の意思を伝えた際に、「今後の手続きについて、ご指示いただけますでしょうか」と確認し、その指示に従うのが最もスムーズです。一般的には、直属の上司に手渡しするか、人事部に直接提出するケースが多いです。
【テンプレート】そのまま使える退職願の基本的な書き方
退職願は、PCで作成しても手書きでも問題ありません。以下に基本的なテンプレートを紹介します。
退職願
私儀
この度、一身上の都合により、来たる令和〇年〇月〇日をもちまして、退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。
令和〇年〇月〇日
所属:〇〇部 〇〇課
氏名:田中 太郎㊞株式会社〇〇
代表取締役社長 〇〇 〇〇様
【作成のポイント】
- 用紙: 白地の無地で、B5かA4サイズが一般的です。
- 退職理由: 「一身上の都合により」と書けば十分です。具体的な理由を書く必要はありません。
- 日付: 提出する日付を記入します。
- 宛名: 会社の最高責任者(代表取締役社長)の氏名をフルネームで書きます。
- 押印: 自分の氏名の下に、認印で構わないので押印しましょう。
退職願・退職届のポイント
- 違い:「退職願」はお願い(撤回可)、「退職届」は通告(撤回不可)。
- 出す順番:円満退職なら、まずは「退職願」を提出する。
- 書き方:退職理由は「一身上の都合により」でOK。宛名は会社の社長にする。
立つ鳥跡を濁さず!円満退職を実現する「引き継ぎ」の進め方
引き継ぎって、どこまでやればいいんですか?
法律上の義務は曖昧ですが、プロとして「後任者が困らない」資料を残すのがマナーです。そのポイントを解説します。
退職日までの期間で最も重要な業務が「引き継ぎ」です。ここで手を抜くと、残された同僚に多大な迷惑がかかり、「無責任な辞め方をした」という悪評が立つ原因になります。責任を持って、丁寧に進めましょう。


「引き継ぎ義務」はどこまで?法的な解釈と実務上の落としどころ
実は、法律には「引き継ぎをしなければならない」と明確に定めた条文はありません。しかし、判例では「信義則上の協力義務」として、労働者は会社に著しい損害を与えないよう、合理的な範囲で引き継ぎに協力すべき、と解釈されています。
意図的に引き継ぎを放棄したり、情報を隠したりして会社に実害を与えた場合には、ごく稀に損害賠償請求のリスクもゼロではありません(出典: ベリーベスト法律事務所)。
法律論はさておき、プロのビジネスパーソンとして、自分が担当していた業務をきれいに整理し、後任者にバトンを渡すのは当然の責務、と考えるのが健全ですね。
後任者が困らない「引き継ぎ資料」の作成ポイント
口頭での説明だけでは、必ず漏れや誤解が生じます。誰が見ても業務を再現できるような「引き継ぎ資料(ドキュメント)」を作成しましょう。
【引き継ぎ資料に盛り込むべき項目】
- 担当業務一覧: 担当している全ての業務(日次、週次、月次など)と、その目的やゴール。
- 業務の具体的な手順: その業務をどのように行っているかのステップバイステップの説明。
- 関連資料の保管場所: 関連するファイルやデータがどこにあるか(サーバーのパス、URLなど)。
- 社内外の関係者リスト: 業務で関わる人の連絡先と、その人との関係性。
- よくある質問(FAQ)やトラブルシューティング: 過去にあったトラブルや、よく聞かれる質問とその回答。
スムーズな引き継ぎのためのスケジュール管理術
退職日までの期間を逆算して、計画的に引き継ぎを進めましょう。
【引き継ぎスケジュール例(退職日まで1ヶ月の場合)】
- 4週前: 引き継ぎ資料の作成を開始。後任者が決まっている場合は、業務の全体像を説明。
- 3週前: 主要な業務について、後任者と一緒にOJT(On-the-Job Training)を開始。
- 2週前: 後任者に主担当として業務を任せ、自分はサポート役に回る。取引先への挨拶を開始。
- 最終週: 細かい業務の引き継ぎ漏れがないか最終確認。挨拶回り、私物の整理。


最終出社日までに行うべき社内外への挨拶と手続き【チェックリスト付き】
いよいよ最終出社日。何をすればいいか不安です。
挨拶回りと書類の受け渡しですね。漏れがないように、チェックリストで確認しましょう!
いよいよ最終出社日。最後まで気持ちよく終えるために、やるべきことをリストアップしました。漏れがないか、しっかり確認しましょう。
社内・社外への挨拶回りのマナーとタイミング
お世話になった方々への挨拶は、直接会って伝えるのが基本です。
- 社内:
- タイミング: 最終出社日の午後、業務が落ち着いた時間帯がベター。
- 範囲: 直属の上司や部署のメンバーはもちろん、他部署でも特にお世話になった方には挨拶に行きましょう。
- 伝えること: これまでのお礼と、後任者の紹介、今後の連絡先(伝えても良い場合)など。
- 社外(取引先など):
- タイミング: 退職が正式に決まったら、後任者と共に訪問するのが最も丁寧です。退職日の1〜2週間前が目安。
- 伝えること: これまでのお礼、退職の事実、後任者の紹介、引き継ぎが万全であることを伝えて安心してもらう。
これで安心!返却物と受け取るものの最終チェックリスト
最終日には、会社から借りているものを返却し、受け取るべき書類を受け取ります。人事部の担当者と事前に確認しておくとスムーズです。




【返却するものリスト】
- [ ] 健康保険被保険者証
- [ ] 社員証、入館証、名刺
- [ ] 会社支給のPC、スマートフォン
- [ ] 経費精算用の法人カード
- [ ] 制服、作業着
- [ ] その他、会社から借りた備品や書類
【会社から受け取るものリスト】
- [ ] 離職票(失業手当の申請に必要)
- [ ] 雇用保険被保険者証
- [ ] 年金手帳
- [ ] 源泉徴収票(転職先での年末調整や、確定申告に必要)
これらの書類は、失業手当の受給や次の会社での手続きに絶対に必要なものばかりです。受け取り忘れがないよう、指差し確認しましょう!
あわせて読みたい:LINEでの退職挨拶はアリ?ナシ?
最終出社日やその後の挨拶回りにおいて、LINEを活用する場合の失礼にならないマナーや、グループ退会の適切なタイミングについては、以下の記事で例文付きで紹介しています。
→ 退職の挨拶はLINEでいい?グループ退会のマナーと送る相手別例文


退職の伝え方に関するよくある質問(FAQ)
- Q1. 関係が悪い上司に言いたくありません。飛ばして人事に言うのはダメ?
-
A1. 推奨しません。先に人事に伝えると、上司の面子を潰すことになり、かえって関係が悪化するリスクがあります。まずは社会人のルールとして直属の上司に伝え、もし不当な引き止めなどがあれば、その時点で人事に相談するのが適切な手順です。
- Q2. 「損害賠償請求する」と脅されたらどうすればいい?
-
A2. 冷静に対応しましょう。通常の退職で損害賠償が認められるケースは極めて稀です。意図的にデータを持ち出すなどの実害を与えない限り、まず心配は不要です。不安な場合は、労働基準監督署や弁護士に相談することをおすすめします。
- Q3. 退職の話をしたら、無視されたり嫌がらせを受けたりしますか?
-
A3. 残念ながら、そういったケースもゼロではありません。しかし、それは一個人の問題であり、あなたが気にする必要はありません。あなたはルールに則って行動しているので、堂々としていれば大丈夫です。証拠として、やり取りを記録しておくのも一つの手です。
- Q4. アルバイトやパートでも、同じように上司に伝えるべき?
-
A4. はい、基本的には同じです。雇用形態にかかわらず、まずは現場の責任者である店長や直属の上司に伝えるのが筋です。就業規則や雇用契約書に定められた予告期間を確認し、それに従って申し出ましょう。
- Q5. 退職願は手書きでないとダメですか?
-
A5. いいえ、PCで作成したもので全く問題ありません。ただし、署名と押印は自筆で行うのが一般的です。会社の慣習がある場合もあるので、上司に確認するとより確実です。
- Q6. 会社から借りているPCやスマホのデータはどうすればいい?
-
A6. 業務に関係のない私的なデータは、必ず全て消去してください。業務データは、後任者がわかるように整理し、会社の指示に従ってPCやスマホを返却します。私的なデータを私用USBメモリなどにコピーして持ち出す行為は、情報漏洩にあたる可能性があり厳禁です。
まとめ:円満退職は、正しい知識と準備で実現できる
本記事では、退職の伝え方から、法的な権利、具体的な手続きまでを網羅的に解説しました。
「退職は誰に言うか」重要ポイント総復習


- 退職を伝える相手とタイミング
- 結論、まず「直属の上司」に「1〜3ヶ月前」に伝えるのが、円満退職の第一歩。
- 法的根拠
- 民法627条により「2週間前の申し出」で退職する権利は守られている。これを「お守り」として知っておくことが重要。
- 実践的な伝え方
- 退職理由はネガティブなものを避け、感謝と共に前向きな姿勢で伝える。
- キャリアへの影響
- 「リファレンスチェック」が普及する現代では、円満な退職が次のキャリアを拓く武器になる。
次の一歩:まずは上司との面談日程を調整しよう
この記事を読んで、円満退職に向けた戦略の全体像が見えてきたはずです。憶測や不安で行動をためらう必要はもうありません。
次の一歩は、本記事のステップ1で紹介した文例を参考に、あなたの上司との面談日程を調整することです。正しい知識と準備を武器に、自信を持って、あなたの新しいキャリアへの扉を開きましょう。


筆者より:この記事をまとめながら感じたこと
この記事をまとめる中で改めて感じたのは、退職とは単なる「手続き」ではなく、自身のキャリアを守り、次へ繋げるための「戦略的コミュニケーション」なのだということです。
特に「民法」という法的根拠と、「直属の上司」という人間関係の双方に配慮するバランス感覚が重要だと痛感しました。この記事が、あなたの不安を少しでも和らげ、次の一歩を力強く踏み出すための助けになれば嬉しいです。
- 退職で揉める前に!引き止めや損害賠償を回避する法的対処法まとめ
会社からの強い引き止め、脅し、パワハラに対して、法的な知識で身を守りながら、泥沼化を避けて退職したいという切実な悩みに応えます。 - 退職時の有給消化を拒否させない言い方は?全消化への交渉術と権利
退職にあたって有給休暇を完全に消化したいが、会社に拒否されないか不安なため、法的に正しい知識と角の立たない交渉術を解説します。 - 退職の挨拶はLINEでいい?グループ退会のマナーと送る相手別例文
退職時の挨拶をLINEで済ませたい、またはLINEグループから抜ける際のマナーを知り、退職後の人間関係や評判を落とさないようにする方法を紹介します。

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