会社都合退職(特定受給資格者)の方が早期に再就職した場合、就職日の前日時点で残っている失業保険(基本手当)の支給残日数に応じて「70%(残日数が3分の2以上)」または「60%(残日数が3分の1以上)」が再就職手当として一括支給されます。会社都合退職はもともとの所定給付日数が最大330日と長いため、早期転職によって50万円〜150万円近い一時金を非課税で受け取れるケースも珍しくありません。さらに再就職後の給与と合算すると、失業保険を満額受給するより総収入が100万円以上多くなるのが一般的です。
会社都合で退職したあと、すぐ次の会社に就職すると失業保険がもらえなくなって損をしませんか?
いいえ、損はしませんよ。残りの給付日数の最大70%が「再就職手当」として一括支給されるうえ、新しい会社の給与も毎月入るため、総収入では早期就職の方が圧倒的にプラスになります。
突然の解雇や退職勧奨などの会社都合で退職した際、「せっかく所定給付日数が180日や240日もあるのだから、最後まで失業保険をもらい切った方が得なのでは」と迷う方は少なくありません。私が元SEとして退職や転職の手続きに悩んだ際も、周囲から「すぐ働くと手当が減って損をする」という噂を聞いて迷った経験があります。
この記事では、管理人ケータが現役キャリアコンサルタントの友人Mに制度細則を確認しながら、厚生労働省およびハローワークの2026年8月改定基準に基づき、会社都合退職における再就職手当の計算表、満額受給との損得比較、8つの受給条件と申請手順をわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 会社都合退職で再就職手当がいくらもらえるか(給付率70%・60%の計算表)
- 2026年8月改定の再就職手当算定用「基本手当日額の上限(60歳未満6,745円)」
- 失業保険の満額受給と「再就職手当+新職場の給与」の6か月間総収入比較
- 会社都合退職者が再就職手当をもらうための8つの支給要件と申請スケジュール
- 転職後に給料が下がった人が追加で最大20%受け取れる「就業促進定着手当」
- 1 | 会社都合退職で再就職手当がいくらもらえるか給付残日数70パーセントと60パーセントの計算表
- 1-1 | 再就職手当の基本計算式と2026年8月改定の基本手当日額上限(60歳未満6,745円)
- 1-2 | 所定給付日数(90日〜330日)ごとの給付率70%・60%境界ラインと支給額早見表
- 1-3 | 残日数3分の2以上(70%)と3分の1以上(60%)を分ける「就職日(入社日)」の数え方
- 2 | すぐ就職すると損をするのか失業保険の満額受給と再就職手当+給与の総額比較
- 2-1 | 180日満額受給(108万円)と早期再就職(合計219.6万円)の6か月間総収入シミュレーション
- 2-2 | 早期就職が得になる損得分岐点の計算式と非課税メリット・手取り比較の注意点
- 2-3 | X(旧Twitter)上の口コミ6件から見る会社都合退職者の再就職手当受給額とリアルな実感
- 3 | 会社都合退職者が再就職手当を受け取るための8つの条件と就職決定後の申請手順
- 3-1 | 厚生労働省が定める再就職手当の8つの支給要件(会社都合なら待期7日満了後の自己応募も対象)
- 3-2 | 内定から入社・申請・振込(約1〜2か月後)までの6ステップと必要書類チェックリスト
- 3-3 | 再就職先で給料が下がった時に追加で最大20%もらえる「就業促進定着手当」のW受給手順
- 3-4 | まとめ:会社都合退職の再就職手当の条件を満たして早期転職で一時金を受け取ろう
- 4 | よくある質問
会社都合退職で再就職手当がいくらもらえるか給付残日数70パーセントと60パーセントの計算表

会社都合退職だと再就職手当が高くなると聞きました。どうやって金額を計算するのですか?
「算定用の基本手当日額 × 支給残日数 × 給付率(70%または60%)」で計算します。会社都合は元々の所定給付日数が最大330日と長いため、残日数に比例して支給額も大きくなる仕組みですよ。
会社都合退職(特定受給資格者)の方が再就職手当を計算する際は、雇用保険受給資格者証に記載された「基本手当日額」と「所定給付日数」の2つを手元に用意してください(出典: ハローワークインターネットサービス 就職促進給付)。まずは基本の計算式と日額上限のルールから確認していきましょう。
再就職手当の基本計算式と2026年8月改定の基本手当日額上限(60歳未満6,745円)
再就職手当 = 算定に使う基本手当日額 × 支給残日数 × 給付率(70%または60%)
再就職手当の支給額は、就職日の前日時点で残っている「支給残日数」に、基本手当日額と給付率(70%または60%)を掛けて算出します(1円未満の端数は切り捨て)。
ここで見落としやすいのが、再就職手当の計算に使う「基本手当日額」には、通常の失業保険(基本手当)とは別に専用の上限額が設けられている点です(出典: 厚生労働省・ハローワーク 再就職手当のご案内(2026年8月改定版))。
2026年8月1日から2027年7月31日までの期間において、再就職手当の算定に用いる基本手当日額の上限は、離職時の年齢が60歳未満で「6,745円」、60歳以上65歳未満で「5,454円」と定められています。もし受給資格者証に記載された基本手当日額が7,500円や8,000円であっても、再就職手当を計算する際は上限の6,745円(60〜64歳は5,454円)に置き換えて計算するルールです。
| 確認項目 | 所定給付日数の3分の2以上残して就職 | 所定給付日数の3分の1以上〜3分の2未満で就職 | 所定給付日数の3分の1未満で就職 |
|---|---|---|---|
| 適用される給付率 | 支給残日数の70% | 支給残日数の60% | 支給対象外(0%) |
| 算定用日額上限(60歳未満) | 6,745円(2026年8月改定) | 6,745円(2026年8月改定) | 対象外 |
| 算定用日額上限(60〜64歳) | 5,454円(2026年8月改定) | 5,454円(2026年8月改定) | 対象外 |
| 計算例(日額6,000円・所定180日) | 残180日なら 756,000円 | 残90日なら 324,000円 | 残59日以下は不支給 |
所定給付日数(90日〜330日)ごとの給付率70%・60%境界ラインと支給額早見表
会社都合退職は最大330日の給付日数があるため、早期就職で100万円超えも狙える
自己都合退職(一般受給資格者)の所定給付日数は最大でも150日ですが、会社都合退職(特定受給資格者)は年齢と雇用保険の被保険者期間に応じて「90日〜最大330日」の所定給付日数が付与されます。
そのため、7日間の待期期間が満了した直後や、失業保険を1〜2か月受給した段階で再就職が決まると、支給残日数が150日〜300日以上残っているケースが多く、再就職手当の金額も自己都合退職より大幅に高くなります。所定給付日数ごとの70%・60%境界日数と、上限日額(6,745円)および標準日額(6,000円)での支給目安を一覧表にまとめました。
| 所定給付日数 | 70%支給になる残日数 | 60%支給になる残日数 | 待期直後に就職(70%・日額6,000円) | 待期直後に就職(70%・上限6,745円) |
|---|---|---|---|---|
| 90日 | 60日以上 | 30日〜59日 | 378,000円(残90日) | 424,935円(残90日) |
| 120日 | 80日以上 | 40日〜79日 | 504,000円(残120日) | 566,580円(残120日) |
| 150日 | 100日以上 | 50日〜99日 | 630,000円(残150日) | 708,225円(残150日) |
| 180日 | 120日以上 | 60日〜119日 | 756,000円(残180日) | 849,870円(残180日) |
| 210日 | 140日以上 | 70日〜139日 | 882,000円(残210日) | 991,515円(残210日) |
| 240日 | 160日以上 | 80日〜159日 | 1,008,000円(残240日) | 1,133,160円(残240日) |
| 270日 | 180日以上 | 90日〜179日 | 1,134,000円(残270日) | 1,274,805円(残270日) |
| 330日 | 220日以上 | 110日〜219日 | 1,386,000円(残330日) | 1,558,095円(残330日) |

会社都合退職の失業保険はいつからいくらもらえるか年齢別給付日数と計算
会社都合退職(特定受給資格者)の失業保険は、自己都合退職のような給付制限がなく、ハローワークで受給資格が決定された日から「7日間の待期期間」を満了した後にすぐ支給対象となります。初回の基本手…
残日数3分の2以上(70%)と3分の1以上(60%)を分ける「就職日(入社日)」の数え方

判定基準は「内定日」ではなく「入社日(雇用開始日)」!1日の差で10%変わる
再就職手当の支給残日数を計算する上で最も注意すべきポイントが、「いつの時点で残日数をカウントするか」という基準日です。
ハローワークの審査では、企業から内定通知を受けた「内定日」ではなく、実際に雇用契約が始まり出勤を開始する「就職日(入社日・試用期間開始日)」を基準にします(出典: 厚生労働省 Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~)。具体的には、所定給付日数から「就職日の前日までに失業認定を受けて支給された基本手当の日数」を差し引いた残りが支給残日数となります。
たとえば所定給付日数180日(基本手当日額6,000円)の方が、支給残日数120日(3分の2ちょうど)の状態で入社すれば給付率は70%となり、6,000円 × 120日 × 70% = 504,000円が支給されます。しかし入社日が1日遅れて支給残日数が119日になると、給付率が60%へ下がり、6,000円 × 119日 × 60% = 428,400円となってしまいます。わずか1日の入社日の違いで75,600円もの差が生じるため、内定承諾時に入社日を調整できる場合は70%ライン(残3分の2以上)を意識しておくことが大切です。
| ケース比較(所定180日・日額6,000円) | 就職日前日までの受給済日数 | 就職日時点の支給残日数 | 適用される給付率 | 再就職手当の支給額(差額) |
|---|---|---|---|---|
| 残3分の2ちょうどで入社 | 60日分を受給 | 残120日(2/3以上) | 70% | 504,000円(基準) |
| 1日遅れて入社した場合 | 61日分を受給 | 残119日(2/3未満) | 60% | 428,400円(▲75,600円) |
| 残3分の1ちょうどで入社 | 120日分を受給 | 残60日(1/3以上) | 60% | 216,000円 |
| さらに1日遅れて入社 | 121日分を受給 | 残59日(1/3未満) | 0%(対象外) | 0円(▲216,000円) |
【再就職手当の計算ルールまとめ】
- 基本の計算式:算定用基本手当日額 × 支給残日数 × 70%(残2/3以上)または60%(残1/3以上)。
- 2026年8月改定の日額上限:60歳未満は6,745円、60〜64歳は5,454円が計算上の上限となります。
- 基準日は入社日:内定日ではなく実際の入社日(雇用開始日)前日までの残日数で70%・60%が判定されます。
すぐ就職すると損をするのか失業保険の満額受給と再就職手当+給与の総額比較
再就職手当だと残日数の70%か60%にしかなりませんよね。働かずに100%満額の失業保険をもらった方が得ではないですか?
給付金単体で見れば100%の方が多く見えますが、早期就職すると「再就職手当」に加えて「転職先の毎月の給与」が入ってきます。同じ6か月間で比較すると、早く就職した方が総収入は大幅に増えますよ。
「失業保険を最後まで満額もらわないと損をする」という考え方は、給付金だけを切り取った錯覚です。厚生労働省も案内している通り、同じ期間内の「基本手当+再就職手当+再就職後の給与」の合計額で比較すると、早期に再就職した方が手元に残る資金は圧倒的に多くなります(出典: 厚生労働省 Q&A~労働者の皆様へ Q38)。具体的な数値でシミュレーションしてみましょう。
180日満額受給(108万円)と早期再就職(合計219.6万円)の6か月間総収入シミュレーション
待期明け直後に就職すれば、180日満額受給より6か月間の総収入が+111.6万円増える
所定給付日数180日、基本手当日額6,000円の方が、月給24万円(額面・30日換算)の企業へ再就職するモデルケースで、待期期間満了後の180日間(6か月間)に得られる総収入を比較してみます。
180日間就職せずに基本手当を満額受給した場合、受け取れるお金は6,000円 × 180日 = 108万円のみです。一方、7日間の待期期間満了直後に就職(残180日・給付率70%)した場合、再就職手当として6,000円 × 180日 × 70% = 75万6,000円が一括支給され、さらに6か月分の給与24万円 × 6か月 = 144万円が加わるため、同期間の総収入は219万6,000円に達します。満額受給と比べて111万6,000円も多くなる計算です。
| 就職タイミング(所定180日・日額6,000円・月給24万円) | 就職前の基本手当 | 再就職手当(一時金) | 同期間(180日内)の給与 | 180日間の総収入(満額比) |
|---|---|---|---|---|
| ① 待期満了直後に就職(残180日・70%) | 0円 | 756,000円 | 1,440,000円(6か月分) | 2,196,000円(+111.6万円) |
| ② 60日受給後に就職(残120日・70%) | 360,000円 | 504,000円 | 960,000円(4か月分) | 1,824,000円(+74.4万円) |
| ③ 120日受給後に就職(残60日・60%) | 720,000円 | 216,000円 | 480,000円(2か月分) | 1,416,000円(+33.6万円) |
| ④ 180日満額受給(期間中就職せず) | 1,080,000円 | 0円 | 0円 | 1,080,000円(基準) |
早期就職が得になる損得分岐点の計算式と非課税メリット・手取り比較の注意点

再就職手当も失業保険と同様に「完全非課税」!社会保険やキャリア空白回避の恩恵も大きい
給付率70%で早期就職する場合、満額受給(100%)との給付金の差は残日数の30%分です。つまり、残りの期間に新しい職場で得る給与(手取り)がその30%分を上回れば、金銭面では確実に早期就職の方がプラスになります。
さらに見逃せないのが、再就職手当も基本手当と同じく雇用保険法第12条により非課税所得と定められている点です(出典: 厚生労働省 Q&A~労働者の皆様へ Q27)。70万円や100万円の再就職手当を受け取っても、所得税や住民税は1円も引かれず、確定申告の必要もありません。
また、失業期間中は国民健康保険料や国民年金保険料を自分で全額負担する必要がありますが、早期に正社員として就職して社会保険(健康保険・厚生年金)に加入すれば、保険料の半分を会社が負担してくれるうえ、将来の厚生年金受給額も増えるという二重のメリットがあります。
| 比較の視点 | 早期に再就職して再就職手当をもらう場合 | 失業保険を最後まで満額受給する場合 |
|---|---|---|
| 6か月〜1年間の総収入 | 再就職手当(70%/60%)+毎月の給与で最大化 | 基本手当(100%)のみで給与収入はゼロ |
| 税金の扱い | 再就職手当は全額非課税(給与のみ課税) | 基本手当は全額非課税 |
| 社会保険・年金の負担 | 会社の健康保険・厚生年金に加入(労使折半) | 国民健康保険・国民年金を自己負担(免除・減免手続要) |
| 転職市場での評価 | ブランク期間が短く選考で有利になりやすい | 空白期間が長引くほど面接での説明ハードルが上がる |
X(旧Twitter)上の口コミ6件から見る会社都合退職者の再就職手当受給額とリアルな実感
会社都合退職から早期転職して70万円〜127万円の一時金を受け取った声が多数
実際に会社都合退職後に早期再就職を果たし、再就職手当を受け取った方々のリアルな声を把握するため、X(旧Twitter)上の口コミを6件独自に調査・分類しました。
| 分類 | 投稿アカウント | 抽出された受給実績・スケジュール | 口コミの要点と傾向 |
|---|---|---|---|
| 高額受給 | @nya5nya5neko | 再就職手当127万円を受給 | 会社都合退職から有名企業へ転職しまとまった一時金を確保 |
| W受給 | @pepekochan2 | 失業手当約17万×3ヶ月+再就職手当約70万+定着手当約30万 | 再就職手当と就業促進定着手当の合計約100万円+初月給与を受給 |
| 申請日程 | @sodashi444 | 9/15退職→9/24申込→9/30待期終了→10/7就職・申請→10/30振込 | 待期満了翌日の面接・就職から約3週間でスピード振込完了 |
| 入社日調整 | @DenisOplkov | 入社日を1か月以上先に設定し休養+再就職手当受給 | 内定後に心身を休めてから入社し手当も受け取った好事例 |
| 240日枠 | @muckmama | 会社都合で所定給付240日→再就職手当+定着手当受給 | 会社都合の長い所定給付日数を活かして手厚い給付を実現 |
| 要件未達 | @shadow_star_777 | 会社都合最大240日だが条件未充足で約80万円消失 | 支給要件を満たさず入社すると高額な手当がゼロになるリスク |
今回の転職(会社都合) 失業手当 約17万3ヶ月 再就職手当 約70万 就業促進定着手当 約30万 もらえた。 転職先で初月から給料貰えたし、ボーナスも半分位もらえた。 転職してよかった (出典: X(旧Twitter)@pepekochan2の投稿)
口コミ6件の独自分析と結論(Verdict)
口コミを分析すると、会社都合退職(特定受給資格者)は所定給付日数が180日〜240日以上と長いため、早期転職によって70万円〜127万円という極めて高額な再就職手当を受け取れている実態がわかります。一方で、@shadow_star_777 さんのように受給条件(待期満了後の就職や雇用保険加入要件など)を1つでも外すと80万円規模の一時金が丸ごと消滅してしまいます。だからこそ、応募・内定・入社のタイミングを8つの支給要件に沿って正確に管理することが不可欠です。
【早期就職と満額受給の損得まとめ】
- 総収入の圧倒的優位:所定180日モデルでは、待期直後の就職で6か月総収入が満額受給より約111.6万円多くなります。
- 非課税の一時金:再就職手当は所得税・住民税がかからない非課税所得として一括で口座に振り込まれます。
- 条件確認が命綱:会社都合は70万〜120万円超の実績が多い反面、要件を外すと0円になるため事前の条件確認が欠かせない要素となります。
会社都合退職者が再就職手当を受け取るための8つの条件と就職決定後の申請手順

会社都合退職の人が再就職手当を確実にもらうには、どんな条件に気をつければいいですか?
厚生労働省が定める「8つの支給要件」をすべて満たす必要があります。特に会社都合退職の方は「7日間の待期満了後であれば自己応募でもOK」という大きな優遇がある一方、「受給手続き前の内定はNG」という点に注意が必要です。
再就職手当は、会社都合退職であれば自動的にもらえるわけではなく、雇用保険法に基づく8つの条件をすべてクリアして初めて支給されます(出典: 厚生労働省 Q&A~労働者の皆様へ Q39)。それぞれの条件と申請ステップを確認しましょう。
厚生労働省が定める再就職手当の8つの支給要件(会社都合なら待期7日満了後の自己応募も対象)
会社都合(給付制限なし)は、待期7日間満了後すぐの転職サイト・直接応募でも支給対象!
厚生労働省の公式Q&A(Q39)で定められている再就職手当の支給要件は以下の8項目です。
特に注目したいのが「④ 給付制限がある場合の紹介要件」です。自己都合退職などで給付制限期間がある方は、待期満了後1か月間はハローワークまたは許可・届出のある職業紹介事業者(転職エージェント等)の紹介でなければ対象になりません。しかし、会社都合退職(特定受給資格者)には給付制限がないため、7日間の待期期間さえ満了していれば、企業のホームページへの直接応募や求人サイト経由の自己応募であっても最初から再就職手当の対象となります(出典: 厚生労働省・ハローワーク 再就職手当リーフレット)。
| 支給要件(全8項目) | 厚生労働省基準の具体的な内容 | 会社都合退職者が特に注意すべきポイント |
|---|---|---|
| ① 支給残日数が3分の1以上 | 就職日前日までの失業認定後、所定給付日数の1/3以上が残っている | 90日なら30日以上、180日なら60日以上、240日なら80日以上が必要 |
| ② 1年を超える勤務見込み | 雇入れ当初から1年を超えて勤務することが確実と認められる | 有期契約でも「1年超の更新が確実」な証明があれば対象になり得る |
| ③ 7日間の待期満了後の就職 | ハローワークでの受給手続き後、7日間の待期満了後に就職した | 待期7日間が終わる前に入社(就労開始)すると完全に対象外 |
| ④ 紹介要件(給付制限時) | 給付制限がある人は待期後1か月間はハロワ・許可紹介会社の紹介限定 | 会社都合(給付制限なし)は待期満了後すぐの自己応募・直接応募もOK |
| ⑤ 前の会社への再就職でない | 離職前の事業主や資本・人事等で密接な関係のある関連会社でない | 出向元・親会社・子会社・グループ企業への再就職は不支給 |
| ⑥ 過去3年以内の受給制限 | 就職日前3年以内の就職で再就職手当・常用就職支度手当を受けていない | 直近3年以内に受給歴がある場合は今回の申請は不可 |
| ⑦ 受給決定前の内定でない | ハローワークで求職申込み・受給資格決定を受ける前の内定でない | 退職前やハローワーク手続き前に内定していた企業への入社は対象外 |
| ⑧ 原則として雇用保険加入 | 原則として雇用保険の被保険者要件(週20時間以上等)を満たす雇用 | 独立・開業(フリーランス)で申請する場合は別途事業開始要件を審査 |

転職エージェントを使うべきか悩むあなたへ:仕組みの裏側と賢く付き合うための判断基準を徹底解説
【結論】 転職エージェントは、使うべきか否か二元論で悩むより「自分の目的達成のために、どう賢く使いこなすか」が重要です。ビジネスの仕組みと法的背景を理解すれば、担当者に流されず、転職活動の主…
内定から入社・申請・振込(約1〜2か月後)までの6ステップと必要書類チェックリスト

入社前日までにハローワークへ就職を申告し、入社翌日から1か月以内に申請書を提出する
再就職先が決まってから再就職手当が口座に振り込まれるまでの手続きは、以下の6ステップで進みます(出典: ハローワーク府中 再就職した場合の手続き)。
- 受給資格決定と待期7日間の満了:離職票を持参してハローワークで求職申込みを行い、通算7日間の失業状態(待期期間)をクリアしましょう。
- 就職決定と入社前日までの申告:内定・入社日が決まったら、原則として就職日の前日(土日祝の場合は直前の開庁日)にハローワークへ来所し、「失業認定申告書」「採用証明書」「受給資格者証」を提出して就職前日までの失業認定を受ける流れです。
- 再就職手当支給申請書の受け取り:ハローワーク窓口で受給要件を満たす見込みが確認されると、「再就職手当支給申請書」が交付されます。
- 入社後に新しい会社へ事業主欄の証明を依頼:入社後速やかに、転職先の人事・総務担当者へ「再就職手当支給申請書」を渡し、事業主記入欄(採用年月日・1年超雇用の見込み・関連事業主でない旨の証明)の記入と押印を依頼してください。
- 就職日の翌日から原則1か月以内に申請:会社から返却された申請書と「雇用保険受給資格者証」を管轄ハローワークへ提出します(窓口持参のほか、郵送提出も可能)。なお、1か月を過ぎてしまった場合でも、時効期間である「就職日の翌日から2年を経過する日まで」であれば申請が認められます(出典: ハローワーク上野 よくある質問Q&A)。
- 審査・支給決定・口座振込(申請から約1〜2か月後):ハローワークで雇用保険の取得状況や在籍確認の審査が行われ、申請受理からおおむね1か月〜2か月程度で指定口座へ一括振込されるスケジュールです。
| 手続きの段階 | 提出・準備する主な書類 | 誰が記入・発行するか | 提出期限と実務上の注意点 |
|---|---|---|---|
| ① 就職前日の失業認定 | 失業認定申告書・採用証明書・受給資格者証 | 本人記入+転職先が採用証明書を記入 | 原則として就職日の前日(次回認定日が先なら認定日) |
| ② 再就職手当の本申請 | 再就職手当支給申請書・受給資格者証 | 本人記入+転職先の事業主証明欄 | 原則:就職日の翌日から1か月以内(時効は2年) |
| ③ 管轄別の補足書類 | 雇用状況等証明書・前職との関連証明書等 | 転職先(ハローワークから指示時のみ) | タイムカードや出勤簿の写しが求められる管轄あり |

会社都合退職の失業保険受給中にアルバイトや副業をする条件と減額計算式
会社都合退職後に失業保険(雇用保険の基本手当)を受給しながらアルバイトやパートをする場合、ハローワークでの手続き後「待期期間(失業状態の日が通算7日間)」が満了した翌日から、「週20時間未満…
再就職先で給料が下がった時に追加で最大20%もらえる「就業促進定着手当」のW受給手順
再就職後6か月間働いて前職より賃金日額が下がった場合、残日数の最大20%が追加支給される
会社都合で急いで転職先を探した結果、「前職よりも月給が少し下がってしまった」というケースでも安心してください。
再就職手当を受け取った方が、同じ再就職先に6か月以上継続して雇用され、かつ再就職後6か月間の賃金日額が離職前の賃金日額を下回った場合には、追加の一時金として「就業促進定着手当」を受給できます(出典: ハローワークインターネットサービス 就業促進定着手当)。
支給上限額は「算定用基本手当日額(上限6,745円/5,454円)× 再就職前の支給残日数 × 20%」です。つまり、再就職手当で残日数の70%(または60%)を受け取り、半年後に就業促進定着手当で最大20%を受け取れば、合計で支給残日数の最大90%(または80%)相当額を回収できる手厚い二段構えの制度となっています。
| 給付金の名称 | 支給されるタイミング | 支給率(上限) | 申請期限と対象条件 |
|---|---|---|---|
| 再就職手当 | 就職・申請から約1〜2か月後 | 支給残日数の70% または 60% | 就職日の翌日から1か月以内(時効2年) |
| 就業促進定着手当 | 再就職日から6か月経過後 | 支給残日数の最大20% | 6か月経過日の翌日から2か月以内(前職より賃金低下時) |
まとめ:会社都合退職の再就職手当の条件を満たして早期転職で一時金を受け取ろう

7日間の待期満了と残日数2/3以上(70%)を意識して、一時金と新しいキャリアを両立しよう
会社都合退職における再就職手当の計算方法と受給ポイントを一覧で整理しましょう。
| 重要チェック項目 | 会社都合退職(特定受給資格者)のルールと要点 |
|---|---|
| 再就職手当の計算式 | 算定用基本手当日額(上限6,745円/60〜64歳5,454円)× 支給残日数 × 70%(または60%) |
| 70%と60%の境界線 | 就職日の前日時点で所定給付日数の「3分の2以上」残っていれば70%、「3分の1以上」なら60% |
| 満額受給との損得比較 | 早期就職なら「再就職手当+新職場の給与」がもらえるため、6か月総収入で100万円以上得になる例も |
| 会社都合ならではの優遇 | 給付制限がないため、7日間の待期満了後なら転職サイトや直接応募(自己応募)でも支給対象 |
| 賃金低下時の追加給付 | 再就職先で6か月働き前職より賃金が下がった場合は「就業促進定着手当(最大20%)」も申請可能 |
会社都合退職は所定給付日数が最大330日と手厚いため、再就職手当の制度を正しく活かせば、まとまった非課税の一時金を受け取りながら早期にキャリアを再構築できます。まずはハローワークで求職申込みを行い、7日間の待期期間を満了した上で納得のいく転職活動を進めていきましょう。
よくある質問
- 会社都合退職後に転職サイトや企業のホームページから自分で直接応募して就職した場合も再就職手当はもらえますか?
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はい、会社都合退職(特定受給資格者)や特定理由離職者として給付制限がない方であれば、7日間の待期期間満了後の就職であれば、ハローワークや職業紹介事業者の紹介に限らず、転職サイトや企業ホームページからの自己応募(直接応募)でも再就職手当の支給対象となります。ただし、ハローワークで受給資格決定を受ける前からすでに内定していた場合は対象外となるため、必ず受給手続きと待期期間を経てから選考・入社を進めてください。
- 再就職手当の支給率(70%・60%)は「内定をもらった日」と「入社した日(就職日)」のどちらで判定されますか?
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内定日ではなく、実際に雇用契約が開始される「就職日(入社日・試用期間開始日)」を基準に判定されます。就職日の前日までに失業認定を受けた後の「支給残日数」が所定給付日数の3分の2以上であれば70%、3分の1以上3分の2未満であれば60%が適用されます。
- 再就職手当を受け取ったあと、新しい会社が合わずすぐに退職してしまったら手当を返金する必要がありますか?
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虚偽の申告などの不正受給でない限り、再就職手当を受け取ったあとに早期退職することになっても、すでに支給された再就職手当を返金する必要はありません。また、再就職先を離職した時点で元の受給期間(原則離職日の翌日から1年)と支給残日数が残っていれば、再びハローワークで手続きを行うことで残りの基本手当を受給できる場合があります(厚生労働省Q&A Q44)。
- 再就職手当の申請期限である「就職日の翌日から1か月以内」を過ぎてしまった場合はもう申請できませんか?
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原則の申請期限は就職日の翌日から1か月以内ですが、会社の証明手続きなどで1か月を過ぎてしまった場合でも、雇用保険法上の時効期間である「就職日の翌日から2年を経過する日まで」であれば申請が可能です。期限を過ぎたことに気づいた時点で、速やかに管轄のハローワーク窓口へ相談して提出してください。
- 会社都合退職後に個人事業主やフリーランスとして開業・独立した場合でも再就職手当の対象になりますか?
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はい、7日間の待期期間満了後に個人事業主として開業(事業開始)し、その事業で1年を超えて自立して生計を立てられる見込みがあること(業務委託契約書や開業届、事務所の賃貸借契約書等で客観的に証明できること)など所定の要件を満たせば、雇用される場合と同様に再就職手当の支給対象となります。ただし受給手続き前から開業準備や事業活動を行っていた場合は対象外となるため、事前に管轄ハローワークへ必要書類を確認しておくことが重要です。
本記事に掲載されている雇用保険の基本手当(失業保険)、再就職手当、就業促進定着手当の支給要件、算定用基本手当日額の上限(2026年8月1日改定基準)、所定給付日数および給付スケジュールは、2026年10月時点の公的機関(厚生労働省、ハローワークインターネットサービス、各都道府県労働局等)の公式発表および法令情報に基づき一般的な仕組みを整理したものです。個別の受給資格の有無、支給残日数の算定、および最終的な支給決定は、ご自身の住所地を管轄するハローワーク(公共職業安定所)の審査によって判断されます。実際の手続きや個別の条件確認にあたっては、必ず管轄ハローワークの窓口へ直接ご相談ください。