会社都合退職で解雇予告手当がもらえる条件と計算方法や未払い請求の手順

結論 KEY SUMMARY

会社都合退職で解雇予告手当がもらえるのは、会社から一方的に「解雇」を通告され、かつ解雇日までの予告期間が「30日未満」だった場合です(厚生労働省「労働契約の終了に関するルール」)。即日解雇なら平均賃金の30日分以上、10日前の予告なら不足する20日分以上の支払い義務が会社に課されています。**

男性 男性

読者の疑問:社長から突然「今月末で辞めてくれ、明日から来なくていい」と言われました。会社都合退職なら全員が解雇予告手当を1か月分もらえるのでしょうか?また、試用期間中やパートでも請求できるのか不安です。

管理人・ケータ 管理人・ケータ

筆者の回答:管理人のケータです。突然の通告で不安になりますよね。キャリアコンサルタントにも確認しましたが、正社員だけでなくパートや14日超の試用期間でも、30日前に予告されない一方的な解雇なら解雇予告手当の受給権が保障されていますよ。

ただし「解雇ではなく退職勧奨だから手当は出ない」「退職届を出せ」と言われ受給権を失うトラブルが多発しています。

本記事では厚労省の公式基準をもとに、支給条件、平均賃金の計算式、未払い時の請求手順を解説します。

この記事でわかること

  • 労働基準法第20条に基づく解雇予告手当の支給条件と試用期間14日超の適用ルール
  • 会社の一方的な「解雇」と「退職勧奨による合意退職」の法的な境界線と防衛策
  • 直近3か月の賃金総額÷暦日数で出す平均賃金の計算式と宮城労働局モデル試算
  • 解雇予告手当が退職所得扱いで原則非課税となり失業保険と両方受給できる仕組み
  • 即日解雇で未払いのときに内容証明郵便の送付から労働基準監督署へ申告する4ステップ

なお、解雇予告手当だけでなく、会社都合退職で受け取れる失業保険の優遇や退職金、国民健康保険・国民年金の減免制度の全体像を先に確認しておきたい方は、以下の総まとめ記事もあわせてご覧ください。

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会社都合退職でもらえる失業保険や退職金・税金減免の全体像を確認したい方はこちら。
→ 会社都合退職でもらえるお金全まとめ|失業保険はいくら?退職金・税金・健康保険の減免まで

https://taisyoku-riyu.com/%e4%bc%9a%e7%a4%be%e9%83%bd%e5%90%88%e9%80%80%e8%81%b7%e3%81%a7%e3%82%82%e3%82%89%e3%81%88%e3%82%8b%e3%81%8a%e9%87%91%e5%85%a8%e3%81%be%e3%81%a8%e3%82%81%ef%bd%9c%e5%a4%b1%e6%a5%ad%e4%bf%9d%e9%99%ba/

目次

会社都合退職で解雇予告手当が支給される条件と退職勧奨による合意退職との違い

**会社都合退職で解雇予告手当が発生するのは、会社が労働者の承諾なしに一方的に雇用契約を打ち切る「解雇」を行い、解雇日までの予告期間が30日に満たなかったケースに限られます(厚生労働省「解雇予告の期間&手当の計算方法と支払時期を教えてください。」)。

多くの人が「会社都合退職=必ず解雇予告手当がもらえる」と誤解しがちですが、雇用保険上の「会社都合(特定受給資格者)」と、労働基準法第20条の「解雇」は範囲が異なります。まずはどのような通告パターンで何日分の手当が発生するのか、3つの基準日数の関係から確認しましょう。

解雇予告と解雇予告手当の3パターン比較

労働基準法第20条が定める30日前の解雇予告義務と短縮日数の数え方

労働基準法第20条第1項および第2項では、使用者が労働者を解雇する場合、原則として「少なくとも30日前に予告すること」、もし30日前に予告しない場合は「30日に不足する日数分の平均賃金(解雇予告手当)を支払うこと」を義務付けています(厚生労働省「労働契約の終了に関するルール」)。

予告期間のカウント方法には、実務上見落とされやすい3つの鉄則があります。

確認項目労働基準法第20条の公式ルールよくある誤解・注意点
起算日の数え方解雇を通告された当日は含めず、翌日から1日目としてカウントする当日を1日目に含めると1日分の計算ズレが生じる
日数の基準出勤日(営業日)ではなく、土日・祝日を含む暦日(カレンダー通り)で数える公休日を除いて数える必要はない
支払時期即日解雇は「解雇の申渡しと同時」、短縮予告は「予告と同時または解雇日まで」「来月の給料日に払う」は原則として違法状態になる

たとえば、9月20日に社長から「9月30日付で解雇する」と通告された場合、通告当日の9月20日は算入せず、翌日の9月21日から9月30日までの「10日間」が予告日数となります。法定の30日に対して20日不足するため、会社は「平均賃金の20日分以上」の解雇予告手当を支払わなければなりません。もし「今日付でクビだ、明日から来なくていい」と即日解雇を言い渡された場合は、予告日数が0日となるため「平均賃金の30日分以上」をその場で(遅くとも解雇成立と同時に)支払う義務が生じます。

パートやアルバイトおよび試用期間14日超の社員が支給対象になる条件

男性 男性

読者の疑問:私は入社してまだ1か月目の試用期間中なのですが、人事から「試用期間中だから解雇予告手当は一切出ない」と言われました。本当にもらえないのでしょうか?

管理人・ケータ 管理人・ケータ

筆者の回答:それは会社側の明確な法令違反です。労働基準法第21条では、試用期間中の社員であっても「入社から14日を超えて引き続き雇用されている場合」は、正社員とまったく同じように解雇予告および解雇予告手当の対象になると定められています。

長野労働局「退職及び解雇(労働条件ハンドブック)」および兵庫労働局「解雇・退職」の公式資料に基づき、雇用形態ごとの対象条件と除外要件を整理しました。

解雇予告手当の対象になるケース・対象外になるケース
労働者の区分解雇予告手当の「対象外」となる期間解雇予告手当の「支給対象」に切り替わる条件
正社員・無期雇用パートなし(入社初日から対象※試用期間除く)入社初日から原則として30日前予告または手当が必要
試用期間中の社員入社から14日以内の解雇14日を超えて(15日目以降)引き続き使用された場合
日雇い労働者雇用期間が1か月以内1か月を超えて引き続き使用された場合
短期の有期契約(2か月以内)契約期間が2か月以内所定の契約期間を超えて引き続き使用された場合
季節的業務(4か月以内)契約期間が4か月以内所定の契約期間を超えて引き続き使用された場合

また、会社側が「お前のミスが原因の懲戒解雇だから解雇予告手当は払わない」と主張するケースも非常に多いですが、これも会社の独断では認められません。労働者の責に帰すべき事由(横領や重大な経歴詐称など)や天災事変によって予告なしで即時解雇する場合であっても、会社が事前に管轄の労働基準監督署長から「解雇予告除外認定」を受けていなければ、解雇予告手当の支払い義務は免除されない仕組みになっています(兵庫労働局「解雇・退職」)。

さらに実務でトラブルになりやすいのが、「解雇予告期間中に有給休暇を取得できるか」「会社都合の休業手当(労働基準法第26条)と解雇予告手当はどう違うのか」という点です。たとえば、30日前に解雇予告された場合、解雇日までの30日間はまだ雇用契約が続いているため、残っている年次有給休暇を申請して消化することが可能です。一方、会社が「30日後に解雇するが、明日から解雇日までは自宅待機(休業)を命じる」と指示した場合は、解雇予告自体は30日前に完了しているため解雇予告手当は0円ですが、解雇日までの休業期間に対しては労働基準法第26条に基づき「平均賃金の60%以上の休業手当」を支払う義務が会社に生じます(厚生労働省「労働契約の終了に関するルール」)。

会社からの通告パターン雇用契約の終了日会社が支払うべきお金の種類と割合有給休暇の消化可否
① 即日解雇(今日でクビ)通告した当日解雇予告手当:平均賃金の30日分以上(100%)解雇日が当日のため原則不可
② 30日前予告+通常勤務30日後の解雇日通常の給与(100%)※解雇予告手当は0円解雇日まで有給消化が可能
③ 30日前予告+自宅待機命令30日後の解雇日休業手当:平均賃金の60%以上(労基法第26条)有給申請すれば100%の賃金
④ 10日前予告+即日自宅待機10日後の解雇日10日分の休業手当(60%以上)+20日分の解雇予告手当(100%)10日後の解雇日まで有給消化可

このように、会社側が「解雇予告手当を払いたくないから、形式上は30日後の解雇にして明日から出社禁止にする」という手法を使ったとしても、今度は休業手当(60%以上)の支払い義務が発生し、さらに労働者側が残りの有給休暇を申請すれば100%の賃金を支払わなければなりません。会社からの通告が「いつを退職日(解雇日)としているのか」を必ず書面で確認することが重要です。

会社の一方的な解雇と退職勧奨に応じた合意退職の法的な境界線

会社都合退職で解雇予告手当をもらえるかどうかを分ける最大の争点が、「解雇」と「退職勧奨(合意退職)」の法的な違いです(厚生労働省「退職勧奨とはどのようなものでしょうか。」)。

「解雇」と「退職勧奨(合意退職)」の決定的な違い
比較項目解雇(普通解雇・整理解雇)退職勧奨(合意退職)
契約終了の法的性質会社側による一方的な労働契約の解除会社の働きかけに労働者が同意した合意解約
労働者本人の同意不要(会社の通告のみで成立)必須(本人が拒否すれば退職にならない)
解雇予告手当(労基法20条)30日未満なら支払い義務あり法的支払い義務なし(別途の解決金交渉)
失業保険の離職区分会社都合退職(特定受給資格者)会社都合退職(特定受給資格者)
提出書類の違い解雇通知書・解雇理由証明書を会社が交付労働者が退職届(または合意書)に署名・提出

鳥取労働局「退職勧奨」でも解説されているとおり、退職勧奨はあくまで「辞めてもらえませんか」という会社からのお願い・提案にすぎません。ハローワークの失業保険では退職勧奨も「会社都合退職」として扱われますが、労働基準法第20条の「解雇」ではないため、一度でも「わかりました、辞めます」と合意して退職届を出してしまうと、原則として解雇予告手当を請求できなくなります。

実際、X(旧Twitter)上の口コミ・体験談10件を独自に調査・分類したところ、会社側や顧問弁護士から「解雇に納得した」と言わせようとする誘導を拒否して1か月分の解雇予告手当を受け取った実例が確認できました。

話し合いの際に「解雇に納得した」という意味の発言をしたら解雇予告手当をもらえなくなる。顧問弁護士と店長はのちの話し合いでしきりに「解雇に納得した」意味の発言をするように仕向けてきたが、そんな発言をするわけがなく、きっちり一か月分の不労所得をもらった。 出典:X(旧Twitter)@monogatarimonog さんの投稿

独自見解・結論(Verdict)
この投稿が示すとおり、面談の場で「解雇に同意します」「納得して退職します」と口頭で認めたり、その場で退職届にサインしたりすると、会社側から「解雇ではなく合意退職だった」と主張されるリスクが一気に高まります。もし会社が一方的に辞めさせようとしているなら、絶対に自分から退職届は書かず、「解雇であれば労働基準法第22条に基づく解雇通知書および解雇理由証明書を交付してください」と冷静に求めることが、解雇予告手当を守る最大の防御策になります。

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解雇予告手当はいくらもらえるか平均賃金の計算式と短縮日数別のシミュレーション

**解雇予告手当の金額は「直近3か月の月給そのもの」ではなく、労働基準法第12条で定められた「1日あたりの平均賃金 ×(30日 - 予告日数)」という計算式で算出するルールです(神奈川労働局「平均賃金について」)。

「即日解雇なら月給1か月分がそのままもらえる」と思われがちですが、分母に休日を含めた「暦日数(90〜92日)」を使うため、実際の支給額は毎月の額面月給と少し異なる金額になる点に注意しましょう。正確な計算ステップと労働局の公式モデル例を見ていきましょう。

解雇予告手当の計算3ステップ(宮城労働局モデル例)

直近3か月の賃金総額を暦日数で割る平均賃金の計算式と宮城労働局の試算例

宮城労働局「平均賃金の計算方法」および神奈川労働局「平均賃金について」に基づき、平均賃金を出す3つのステップを順番に見ていきましょう。

  • STEP 1(算定期間3か月間の決定):解雇を通告された日(算定事由発生日)の直前の賃金締切日からさかのぼる3か月間が算定対象です(例:月末締め・6月10日解雇通告なら、3月・4月・5月の3か月間)。
  • STEP 2(3か月間の賃金総額の合算):税金や社会保険料を引かれる前の「額面総支給額(基本給+残業代+通勤手当+住宅手当+家族手当など)」を3か月分合計します。年2回のボーナス(賞与)や結婚祝金などの臨時賃金は算定から除外してください。
  • STEP 3(3か月間の暦日数で割り算):賃金総額を3か月間のカレンダー上の総日数(90日〜92日)で割り、**銭未満(小数点第3位以下)を切り捨てる決まりです。

宮城労働局が公開している公式計算例(3月〜5月の3か月間・10日前に解雇予告されたケース)に当てはめると、以下のようになります。

算定対象月カレンダー上の暦日数額面の賃金総額(残業代・手当込み)計算プロセスと端数処理
3月(3/1〜3/31)31日265,000円基本給+各種手当+残業代の総支給額
4月(4/1〜4/30)30日236,500円基本給+各種手当+残業代の総支給額
5月(5/1〜5/31)31日223,400円基本給+各種手当+残業代の総支給額
3か月合計92日724,900円平均賃金:724,900円 ÷ 92日 = 7,879円34銭(銭未満切捨)
手当支給額(10日前予告)不足日数:20日157,587円7,879.34円 × 20日 = 157,586.80円 → 157,587円(円未満四捨五入)

もしこのモデルケースで予告なしの「即日解雇(不足30日)」だった場合は、7,879.34円 × 30日 = 236,380.20円 となり、1円未満を四捨五入した 236,380円 が解雇予告手当の最低支給額になります。

なお、パートやアルバイトなど時給制・日給制で働く方で出勤日数が少ない場合は、暦日数で割ると金額が極端に低くなってしまうため、「3か月間の賃金総額 ÷ 同期間の実労働日数 × 60%」という最低保障額の計算式が用意されており、原則式と比較して高い方の金額が平均賃金として採用される仕組みです(神奈川労働局「平均賃金について」)。

また、平均賃金の計算(労働基準法第12条)において、算定期間となる直近3か月間のなかに「育児休業」「介護休業」「産前産後休業」「業務上の怪我や病気による療養休業」「会社都合による休業期間」が含まれていた場合は、そのまま90〜92日で割ると平均賃金が不当に下がってしまうため、それらの休業期間の日数と、その期間中に支払われた賃金の両方を分母・分子から除外して計算するという特別ルールが定められています(神奈川労働局「平均賃金について」)。

賃金・期間の種類平均賃金の算定(分子・分母)に含めるか労働基準法第12条の根拠・実務上の注意点
基本給・役職手当・資格手当含める(額面金額)税金や社会保険料を控除する前の総支給額で合算する
残業代・深夜手当・休日出勤手当含める(額面金額)直近3か月に残業が多ければ平均賃金もその分高くなる
通勤手当(定期代・交通費)含める(1か月分換算)6か月定期代などは1か月あたりの金額に割り戻して算入する
年2回の賞与(ボーナス)・退職金除外する(含めない)3か月を超える期間ごとに支払われる賃金・臨時賃金は除外
私傷病による欠勤・休職期間日数を分母に含める(除外しない)自己都合・私傷病の欠勤は暦日数から除外されない点に注意
業務上の労災休業・産休・育休期間日数も賃金も除外して計算する労働者の不利益にならないよう算定期間から控除して割る

即日解雇と10日前および20日前予告でもらえる解雇予告手当の金額早見表

自分の月給(額面総支給額)と解雇予告されたタイミングから、およそいくらの解雇予告手当が受け取れるのか、3か月の暦日数を91日(標準値)とした場合の早見表を作成しました。

毎月の額面平均月給(3か月合計)平均賃金(日額目安:÷91日)即日解雇(30日分)10日前に予告(不足20日分)20日前に予告(不足10日分)
月給 20万円(計60万円)6,593.40円197,802円131,868円65,934円
月給 25万円(計75万円)8,241.75円247,253円164,835円82,418円
月給 30万円(計90万円)9,890.10円296,703円197,802円98,901円
月給 35万円(計105万円)11,538.46円346,154円230,769円115,385円
月給 40万円(計120万円)13,186.81円395,604円263,736円131,868円
解雇予告手当の税金・社会保険・失業保険の扱い

入社直後で3か月分の給与データがない場合の計算ルール
入社して1か月未満や数週間で即日解雇された場合でも、雇用期間が14日を超えていれば解雇予告手当の支給対象に該当します。直前の賃金締切日がない、または締切日からの期間が3か月に満たない場合は、「入社日から解雇通告日までの総日数と賃金総額」をもとに平均賃金を算出するルールとなっています。X(旧Twitter)上の調査でも、入社10日間の出勤後に解雇され、給与16万円とは別に解雇予告手当1か月分(30万円)を受給した事例が報告されています(X @TK9650 さんの投稿)。

解雇予告手当が退職所得扱いで原則非課税になり社会保険料や失業保険に影響しない理由

男性 男性

読者の疑問:解雇予告手当が30万円もらえるとしても、そこから所得税や住民税、健康保険料・厚生年金保険料がガッツリ天引きされて手取りが減ってしまうのでしょうか?また、ハローワークの失業保険が減額されないかも心配です。

管理人・ケータ 管理人・ケータ

筆者の回答:ここが一番うれしいポイントなのですが、解雇予告手当は税法上「給与所得」ではなく「退職所得」として扱われます。そのため、社会保険料や雇用保険料は1円も天引きされず、さらに「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出すれば、所得税も住民税も原則0円(非課税)で額面通り満額を受け取れるのです。

公的機関のルールに基づき、解雇予告手当の税金・社会保険・失業保険の扱いを3つの観点で整理しました。

  • ① 所得税・住民税(退職所得扱いで原則0円):国税庁の通達(所得税基本通達30-1)により、労働基準法第20条の解雇予告手当は「退職所得」に分類されます。退職所得には勤続1年以下でも最低「80万円」の退職所得控除枠(勤続20年以下は40万円×勤続年数、最低80万円)があるため、退職金と解雇予告手当の合計が退職所得控除額以内であれば税金は一切かかりません。ただし、会社に「退職所得の受給に関する申告書」を提出しないと一律20.42%の所得税が源泉徴収されてしまい、あとから確定申告で還付を受ける手間が発生するため、必ず退職時に申告書を提出しましょう。
  • ② 社会保険料・雇用保険料(天引き一切なし):健康保険料・厚生年金保険料・介護保険料・雇用保険料は「労働の対価である賃金(報酬)」に対してかかるものです。解雇予告手当は解雇時に支払われる補償金であり労働の対価ではないため、社会保険料や雇用保険料の控除対象外となります。
  • ③ ハローワークの失業保険(減額・支給停止なし):解雇予告手当を受け取っても、雇用保険の基本手当(失業保険)が減額されたり、待期期間(7日間)が延びたりすることは一切ありません。解雇予告手当を満額受け取ったうえで、会社都合退職(特定受給資格者)として給付制限なしで失業保険も満額受給できます。

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即日解雇なのに解雇予告手当が支払われない時の内容証明請求と労働基準監督署への相談

**即日解雇や30日未満の解雇予告を受けたにもかかわらず会社が解雇予告手当を支払わない場合は、①証拠保全、②内容証明郵便による支払督促、③労働基準監督署への労働基準法第20条違反申告の順に対処することで、高い確率で支払いを実現できます(山梨労働局「会社に給料を払ってもらえなかったので、労働基準監督署に申告したい」)。

今回、X(旧Twitter)上で解雇予告手当に関する実体験ポスト10件を独自に調査・分析したところ、会社が最初は支払いを拒否・放置していても、内容証明郵便の送付や労働基準監督署への申告を行ったケースでは、その後に支給決定へ至っていることがわかりました。

調査分類X(旧Twitter)上の実例概要会社側の初期対応労働者がとった行動と最終結果
労基署申告で解決即日解雇を通告され手当未払い(@hikikomori_160)解雇予告手当の支払いなし労基署へ相談・申告し、即日解雇が認定され支給決定
内容証明で回収8月に即時解雇され手当不払い(@WxblocO4KiyZKaO)支払義務を無視して放置内容証明郵便で正式請求し、全額を支払わせた
労基署で書式入手即日解雇の未払い相談(@eoN0vKfQxY10151)即日解雇を通告し手当なし労基署で「解雇予告手当請求書」のサンプルを入手し郵送
試用期間の違法主張試用期間中に「明日から来なくていい」(@debunyaro)「試用期間だから手当は適用外」と主張労基法21条(14日超は対象)に反する違法主張として発覚

恥ずかしながら、私自身8月に会社をクビになりましたが即時解雇なら会社が払う義務がある解雇予告手当を払わなかったので内容証明で請求して払わせましたが世の中には私と同じ目に遭っても泣き寝入りする方が多いのでしょうね。 出典:X(旧Twitter)@WxblocO4KiyZKaO さんの投稿

独自見解・結論(Verdict)
この体験談の通り、中小企業やワンマン社長の職場では「労働者が法律を知らないだろう」と高を括って解雇予告手当を払わずに済ませようとするケースが少なくありません。しかし、労働基準法第20条の要件(解雇通告日・解雇日・直近3か月の給与額)は数値で明確に立証できるため、書面での督促と労働基準監督署への申告を行えば、会社側は行政指導や処罰(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金:労基法第119条)を恐れて支払いに応じる可能性が極めて高いと言えます。

会社都合退職の解雇予告手当ガイド

解雇理由証明書の請求と直近3か月分の給与明細による証拠保全ステップ

未払い請求を始める前に、会社側からあとになって「あれは解雇ではなく本人が勝手に辞めた(自己都合退職・合意退職)」「明日から来なくていいとは言っていない」と嘘をつかれないよう、以下の4つの証拠を最優先で手元に確保しておきましょう(山梨労働局「労働基準監督署に申告したい」)。

確保すべき重要証拠具体的な入手・保全方法と法的根拠
① 解雇通知書・解雇理由証明書口頭解雇でもメールや書面で「労働基準法第22条に基づき解雇理由証明書を交付してください」と請求する(会社には遅滞なく交付する法的義務あり:厚生労働省QA)
② 解雇通告のメール・LINE・録音社長や人事から「○月○日付で解雇」「明日から出社不要」と伝えられた画面キャプチャや面談の録音データを保管する
③ 直近3か月分の給与明細・雇用契約書平均賃金と賃金締切日を算出するための必須資料。社内Web明細が見られなくなる前にPDF等で保存する
④ タイムカード・勤怠記録の写し時給制・日給制で最低保障額(実労働日数÷60%)を計算する場合や未払い残業代も同時に請求する場合に活用する

支払期限と計算根拠を明記した内容証明郵便の作成と会社への送付手順

証拠が揃ったら、まずは会社に対して「いつまでに・いくらを・どの口座へ振り込むか」を明記した「解雇予告手当請求書」を送付します。山梨労働局が公開している督促文例をベースにした、そのまま使える解雇予告手当の請求書テンプレートは以下の通りです。

解雇予告手当請求書の文面テンプレート(内容証明郵便・メール共通)

記載パート内容証明郵便・請求メールに明記する具体文面(コピペ用)
件名・表題解雇予告手当請求書(通知人:あなたの住所・氏名 / 被通知人:会社名・代表取締役氏名)
① 解雇通告の事実「私は貴社に○年○月○日より勤務しておりましたが、○年○月○日に貴社より○年○月○日付での解雇を通告されました(予告期間○日間)。」
② 法的根拠(労基法20条)「労働基準法第20条に基づき、貴社には法定予告期間30日に不足する○日分の解雇予告手当を支払う義務があります。」
③ 計算根拠と請求金額「直近3か月間(○月〜○月・総日数○日)の賃金総額○円から算出した1日あたりの平均賃金は○円○銭であり、不足日数○日分の解雇予告手当は合計○円となります。」
④ 支払期限と振込先口座「本書面到達後7日以内(○年○月○日まで)に下記指定口座(○○銀行○○支店 普通○○○○)へ金○円をお振り込みください。期限内にお支払いがない場合は管轄の労働基準監督署への労働基準法第20条違反申告を行います。」

郵便局の窓口または「e内容証明(電子内容証明サービス)」を利用して、「配達証明付きの内容証明郵便」(費用目安:1,500円〜2,000円前後)で会社の本社所在地へ送付し、控えと配達証明書を大切に保管してください。

労働基準監督署への労働基準法第20条違反申告と付加金請求および時効5年の注意点

指定した支払期限を過ぎても会社から振り込みがない場合は、会社の所在地を管轄する労働基準監督署(方面・監督課)へ行き、「労働基準法第20条違反の申告」を行います(長野労働局「賃金の不払いが発生したら、迷わず労働基準監督署に相談、申告してください!」)。

労働基準監督署の窓口では、単なる「相談(アドバイスを求めるだけ)」ではなく、「労働基準法第104条に基づく法違反の申告(会社への調査と是正指導を求める手続き)をお願いします」と明確に伝えるのがポイントです。先ほど用意した雇用契約書、給与明細3か月分、解雇通知の記録、内容証明郵便の控えを持参すれば、監督官が会社へ電話連絡や呼出調査・臨検監督を行い、法違反が確認されれば「是正勧告」を出してくれます。

悪質な未払いには最大倍額の「付加金(労基法第114条)」が命じられる
さらに知っておきたい強力な法的ルールとして、以下の2点があります。

  • 付加金の支払い命令(労働基準法第114条):会社が悪質で労基署の指導にも従わず、労働審判や訴訟(裁判)に発展した場合、裁判所は労働者の請求によって「未払いの解雇予告手当と同一額の付加金(つまり合計で最大2倍の金額)」の支払いを会社に命じることができます。
  • 消滅時効は「5年(当面の間は3年ではなく付加金も含め5年経過措置対象外・賃金請求権)」:解雇予告手当の請求権や付加金の請求期間(労基法第114条・第115条)には時効があるため、再就職先が決まったあとでも放置せず、早めに請求手続きを進めることが大切です。

なお、民間の退職代行業者では弁護士法第72条(非弁行為の禁止)により金銭交渉ができないため、不当解雇や解決金の代理交渉は弁護士または公的相談窓口へ相談しましょう。突然の解雇通告で強いストレスや不眠を感じている場合は、厚生労働省「こころの耳」や「よりそいホットライン(0120-279-338)」も活用してください。

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解雇予告手当が未払いのときの請求4ステップ

さらに、会社へ請求書を送ったあとに起きやすい「会社側の引き延ばし・切り返しパターン」と、それに対する具体的な対処法も把握しておきましょう。X(旧Twitter)の調査でも、解雇予告手当や離職票の催促を送った途端に、会社側が「手当を払うのが面倒くさいから、やっぱり解雇ではなく休職扱いでいい」と手のひらを返してきたトラブル事例が確認されています(X @pinapeco さんの投稿)。

会社側の典型的な切り返し・拒否理由労働法上の正否(法的根拠)あなたがとるべき具体的な対処アクション
「やっぱり解雇は撤回するから出社しろ」一度通告した解雇は労働者の同意なしに一方的な撤回は不可(民法第540条類推)解雇予告手当の支払いを逃れるための形式的な撤回には応じず、当初の解雇通告記録をもとに請求を継続する
「ミスや損害と相殺するから手当は0円だ」賃金・手当と損害賠償の相殺は違法(労働基準法第16条・第24条)会社の損害と解雇予告手当を勝手に相殺することは禁止されているため、労基署へそのまま申告する
「解雇予告手当は分割で毎月少しずつ払う」解雇と同時の一括払いが原則(労働基準法第20条)原則として分割払いに応じる義務はなく、一括での振り込みを書面で求める
「退職届を出さないと離職票を発行しない」退職届の有無にかかわらず離職票の交付は会社の義務(雇用保険法第76条)退職届は絶対に出さず、ハローワークで「離職票の交付に関する確認請求」を行う

なお、ハローワークで失業保険の手続きを行う際、会社が離職票の離職理由を事実と異なる「自己都合(退職届提出)」として作成してきた場合でも、手元に「解雇通知書」「解雇予告手当の請求書控え」「解雇通告のメール・録音」があれば、ハローワークの窓口で異議申立を行って会社都合退職(特定受給資格者)へ変更してもらうことが可能です。解雇予告手当の請求に向けて集めた証拠は、失業保険の給付日数を守るための証拠としてもそのまま活用できます。

まとめ:会社都合退職の解雇予告手当の計算と請求手順を知って正当な権利を守ろう

会社都合退職における解雇予告手当の支給条件、平均賃金の計算方法、そして未払い時の請求手順について解説しました。最後に、絶対に押さえておきたい重要ポイントを振り返りましょう。

  • 支給される条件:会社から一方的に解雇を通告され、解雇日までの予告期間が30日未満の場合に不足日数分が支給される(即日解雇なら30日分以上)。
  • 対象者の範囲:正社員だけでなく、パート・アルバイトや入社から14日を超えて勤務した試用期間中の社員もすべて支給対象になる。
  • 最大の注意点:会社から「退職届を書いて」「解雇に納得したと言って」と誘導されて応じると、退職勧奨による合意退職扱いになり解雇予告手当をもらえなくなるため、必ず解雇理由証明書を請求する。
  • 計算式と税金:「直近3か月の額面賃金総額 ÷ 3か月の暦日数(90〜92日)× 不足日数」で計算する。退職所得扱いになるため社会保険料は引かれず、「退職所得の受給に関する申告書」を出せば原則非課税で満額受け取れる。
  • 未払い時の対処法:給与明細3か月分と解雇の証拠を揃え、支払期限を記載した内容証明郵便で請求し、支払われなければ管轄の労働基準監督署へ労働基準法第20条違反の申告を行う。

まずは手元の給与明細3か月分と解雇通告日を確認し、受け取れる金額を試算するところから始めてみてくださいね。