転職エージェントは数多くありますが、適当に選んでいては転職で失敗することも……今回は僕の友人である人材コーディネーターMから聞いた話で、「転職エージェント会社の事前に知っておく3つのことと、これさえ守れば転職成功率大幅アップの3つのアクションプラン」を紹介したいと思います。
転職エージェントの選び方【概要】
では、Mさん、数ある転職エージェント会社の中から、自分に合ったものをどうやって選んでいけばいいでしょうか?
前にも話しましたが、転職エージェントは複数登録が基本です。
今回は、基本を前提に転職エージェントについて
- なぜ複数登録なのか?知っておくべき3つの理由
- 3つのアクションプランで転職成功率を大幅アップ
この2つの項目についてお話していきたいと思います。
2番目の「3つのアクションプラン」だけじゃダメなんですか?
それでも大丈夫なのですが…3つの知識があると、アクションプランの意味がわかるので、まずは知るべきだと考えています。
なるほど。では、まず3つの知識の解説お願いします!
*ここから先は吹き出し無しの文章は「人材コーディネーターMさん」です。
なぜ複数登録なのか?知っておくべき3つの理由
前に「1社だけの登録で失敗しかけた体験談」を聞かせてもらいましたが、やはり複数に登録することが絶対なのですか?
はい。
最終的に1社に絞るなら大丈夫ですが、最初から1社だけは非常に危険です。運が悪いと転職がなかなか出来ず、ダラダラと時間だけが過ぎます。
失敗を防ぐためにも、「なぜ複数登録なのか?」の3つの理由をお伝えします。
理由1:転職エージェントの担当者の質を見極める為
転職エージェントに登録する際に重要なことですが、実はこうです。
△ どの転職エージェント会社にするか
○ どうやって有能な転職コンサルタントに担当してもらうか
「どの会社にするか」が△ですが、転職エージェント会社は選びは重要でないということですか?
エージェント会社も選びも、もちろ大事ですが、意識しにくい「担当者の質も重視しよう」ということです。
1社のみで転職活動をすると、不幸にも質の悪いエージェントが担当になり、転職がスムーズに進まないことがあります。
なので、面倒くさがらず、後ほど解説するアクションプランを確実に実行しましょう。
理由2:得意なことがエージェント各社によって違う為
各転職エージェントには、それぞれの特徴があります。
- 求人の量が多い
- 面接対策が充実
- 職務経歴書の書き方が丁寧
- 特定業界について詳しい
複数登録することで、各会社の良い特徴を利用するのがベストです。
会社によってそんなに違うのですか?
会社の方針・力の入れ方によって違いがありますね。
以前にあった例として、
- A転職エージェント社では面接対策や職務経歴書の書き方は非常に充実していたが、紹介できる求人が少なかった。
- 逆に、B社は面接対策などが手抜きしている印象を受けたが、求人の紹介は沢山あった。
結果として、その方は「A社でしっかり練習して、B社の求人案件から転職をした」そうです。
うまく転職エージェントを使い分けした例ですね。
ただ、この特徴も上の理由1の担当者の能力に依存します。
各社の特徴を把握し、担当者を比較して、納得できる担当者を複数利用するのがオススメです。
理由3:各社にある非公開求人を知ることができる為
非公開求人は、ある特定のエージェント会社だけに依頼していることがあります。
例えば、
これだと、B転職エージェントの1社のみ登録だと、その企業が見つけれないのはショックですね。
そうです。
非公開の中には、緊急性が高く好条件な場合もあるので、多くの非公開求人に目を通す為にも、複数登録が必要になります。
このような非公開求人は大手の転職エージェントに集まりやすいです。
しかし、この後解説する、「中小の業界特化型の転職エージェント」でも、企業の採用担当者とエージェントの繋がりが深く、意外な案件を持っていたりします。
おまけ:複数登録時のよくある質問
複数登録の話をした時、誰もが気になる疑問についてちょっとお答えします。
複数に登録していることを担当者に伝えるべきか?
「複数登録しています」と言っておくべきです。なぜなら、秘密にしておくと辻褄があわず、大事なチャンスを逃すことがあります。
例えば、転職の希望条件ぴったりのある企業があります。すでにA転職エージェントに紹介してもらい段取りを進めている時に、B転職エージェントからも同様に薦められた。
この時、複数利用を伝えておけば「それはA転職エージェントと進めているので…」と言えるのですが、秘密のままだと断る理由がでてきません。嘘をついて「その企業はちょっと…」と言ってしまうと、B社の担当者に『この企業は要望と違うのか…なら、似たような企業も全部ダメだな』と思われてしまいます。
その後の紹介が全部無くなる可能性があるんですね。これはもったいない!
だからと言って、秘密のまま話を進めて、複数の転職エージェントから同じ企業へ応募すると、後ほどややこしくもなるので、絶対にしないでください。
ただ、複数登録をしていると伝えると、やる気がなくなる担当者もいるにはいます。本来なら競合エージェントに負けないように頑張ってもらえればいいのですが…難しいところです。
使わないと決めたエージェント会社はどうすれば?
メインとして使う転職エージェントを決めたら、残りのエージェントは断っても、放置しておいても大丈夫です。
転職エージェントは毎日多くの転職希望者を相手にしているので、断られることも、放置(連絡がつかなくなる)ことも多々あります。
ただ、個人的には一言でもお礼をしておくと良いです。理由を聞かれたら「再考して、転職活動を見直したい」「現職が忙しくなった」としましょう。
また、登録解除(解約)をするよりも、『また、必要になった時はぜひお願いしたい』と保留・延期の形でキープしておくのがベストです。
なるほど。仮にメインの転職エージェントが駄目だった場合に復帰しやすいからですね。
そうです。どんな不測の事態があるかわからないので、キープしておきましょう。
転職エージェントの選び方~3つのアクションプランで転職成功率を大幅アップ~
では、上のことを知った上で、どのように転職エージェントを選んでいけばいいのでしょうか?
まず、転職エージェントには2つのタイプがあります。「大手総合型」と「中小業界特化型」です。
それぞれ2社ずつ、計4社の転職エージェントに登録します。
その後、1度以上の面談を経て、メインで使う転職エージェントを絞っていくことになります。
- アクション①:「大手総合型」に2社以上登録する
- アクション②:「中小業界特化型」に2社以上登録する
- アクション③:エージェント担当者と面談をして見極める
この3つのアクションプランをこなせば、大きく転職成功率が上がります
それでは詳しく見ていきたいと思います。
アクション①:「大手総合型」に2社以上登録する
大手というとリクルートエージェントとかマイナビエージェントのことですか?
そうです。他に有名なのはDODA、アデコ、パソナキャリアとかですね。
業界・業種の広い範囲の求人を備えており、求人件数も非常に多いです。多くの方を転職に導いてきたので、成功事例も沢山蓄積されています。
運営も大手企業のため、個人情報の取り扱いもしっかりしています。
ただ、幅広い業界を扱うが専門的な知識には欠けており、アドバイスに専門性がないことも。また、エージェント担当者1人あたりの受け持ちが多いので、対応が素っ気ないと感じる人もいます。求人の質や紹介精度が悪く感じる人がいるかもしれませんね。
大手総合型のメリット・デメリットまとめ
- 取り扱い求人が非常に多い(非公開求人も)
- 業界を横断した紹介ができる(別業界・別業種も可能)
- 登録者が多く、過去の成功事例が豊富
- 各業界への専門的な知識に欠ける
- 登録者数が多いため、機械的で素っ気ない対応をされることがある
まずは、大手に2社以上の登録をします。求人紹介を増やす為に、必ず必要になります。
どのエージェント会社も優秀ですが、揃える求人案件の年収に若干の差があるので、自分の年収に合わせた会社を選ぶと内定が出やすいです。
500万円未満 | ~800万円 | ~1200万円 | 1200万円以上 | |
---|---|---|---|---|
リクルートエージェント | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ |
マイナビエージェント | ◯ | ◯ | △ | △ |
DODA | ◎ | ◯ | ◯ | △ |
パソナキャリア | ◎ | ◯ | △ | △ |
アデコ | ◯ | ◎ | ◯ | △ |
JAC Recruitment | △ | ◎ | ◎ | ◯ |
アクション②:「中小業界特化型」に2社以上登録する
大手はすぐに思いつきますが、「中小業界特化型」とは?
業界特化型は、特定の業界だけを専門に転職を支援する転職エージェントです。業界の経験者がキャリアコンサルタントとして在籍している為、専門知識・業界知識が凄いです!私も技術系の人材派遣を専門の会社ですが、製造業界の知識なら他の会社より豊富な自負はあります。
同じ業界の企業との信頼関係も強く、太いパイプを持ってます。その業界の大手から中小ベンチャー企業まで狭く深く求人を取り扱っている。
ただ、運営は中小規模の会社が多いため、どうしても求人件数は総合型より少ないです。
また、別業種への転職は難しいですね。業界の中での転職したい方、既に行きたい業界が決まっている方には非常に便利なんですけど。
- 業界出身のキャリアコンサルタントが担当 専門の知識を駆使しての書類・面接対策豊富ができる
- 業界とのパイプがあり、同業界での転職・キャリアアップに強い
- 業界の詳細な情報や裏事情に詳しい
- 会社の規模が小さく、求人案件が少ない
- 別業界・別業種への転職は厳しい(ただし、製造業界は別 [詳しくはこちら])
自分が行きたい業界の特化型転職エージェントにも2社以上登録します。
その業界での詳細な動向や裏事情の情報が集めやすく、面接対策も専門的で充実しているので、相談だけでもする価値はあります。
紹介される求人企業は少ないかもしれませんが、大手も扱っていない優良企業があったりします。
また、地方・地元にIターン、Uターン転職する時、大手でカバーできない中小企業を紹介することもできます。
業界 | 特化型エージェント |
---|---|
製造 | メイテックネクスト |
IT・Web | ワークポート |
マスコミ・広告 | マスメディアン |
外資関連 | JAC Recruitment |
アパレル | ファッショーネ |
第2新卒 | ハタラクティブ |
女性 | ウーマンウィル |
管理職エグゼクティブ | ビズリーチ |
アクション③:エージェント担当者と面談をして見極める
大手総合型に2社、業界特化型に2社に登録したら、いよいよ絞り込み開始ですね。
「担当者を比較して質を見極めることが大事」と話していましたが、具体的には何を基準に比較すればいいですか?
いくつか見極めるポイントがあります。
良い担当者の条件
- 「どう働き、どう生活していきたいか?」と人生設計まで考えたアドバイスをしてくれる人
- 転職したい業界について詳しく、将来の見通しまで解説してくれる人
- 相談重視で、あなたの良い点を引き出し、足りないことをズバっと言ってくれる人
- 担当者も転職経験である
- 転職エージェントとして5年以上、30歳前半以上の人。できれば既婚
1-3は話してくれる内容から判断、4-5はこちらから質問して聞き出しましょう。
他にもあなたとの相性(話した印象)や返信・連絡が早いなどもあるとイイですね。
最後の5年以上は、30歳以上、既婚の条件はなぜです?
ある程度の年齢と経験がないと、人生・キャリア設計のアドバイスはできないからです。
悪い担当者の条件
- 初回面談でこちらの話をあまり聞かずに、企業の求人案内ばかりしてくる人
- 根拠もなく「信じてください」「絶対大丈夫です」と浮ついた事を言う人
- こちらの質問をはぐらかす人。「知らないので、後で調べます」と言えない人
- ビジネスマンとして終わってる人(態度が横柄・対応や連絡が遅い)
要約すると自分勝手な人や経験・能力不足な人ですね。
この人と話したくない、やりにくいと思う人であればですね。
また、紹介される企業の「精度が悪い(納得出来ない)」ことが続くようなら、能力・経験不足の人でしょう。
総合型転職エージェントの場合、専門知識に欠けることはありますが、しっかり「後で調べます」と言える人は信頼できるでしょう。ただ、的はずれな答えが来るかもしれないので、業界特化型との併用で補い合えればいいです。
面談後に1~2社に絞る
転職活動の目安は3~4ヶ月と業界で言われている。それぞれの会社の1回目の面談を終わらせて、2週間ほどでメインとサブを決めましょう。理想は「大手1、業界特化1」で転職活動を進めていければ心強いですね。
ここまでくれば、後はメイン・サブの担当者とガッツリ転職活動していけばOKですね!
この3つのアクションを経ての転職活動であれば、そうそう失敗はないでしょう。
ただ、転職活動は「手段」です。目的は「あなたが理想の会社で働ける」ようになることなので、それまで気を抜きすぎず頑張っていきましょう!
今回も、人材コーディーネーターのMさんに長々と話を聞かせてもらいました。
まとめると「転職エージェントを使っての転職活動は複数登録が基本」であり、その3つの理由をまず知りました。
- 転職エージェントの担当者の質を見極めよう
- 得意なことがエージェント各社によって違う
- 各社にある非公開求人を知ることができる
それを理解した上で、次のアクションプラン①~③を実行
- アクション①:「大手総合型」に2社以上登録する
- アクション②:「中小業界特化型」に2社以上登録する
- アクション③:エージェント担当者と面談をして見極める
Mさんが言うには、「何社も登録するのは非常に面倒くさい、中には転職に焦っている方もいるかもしれませんが、この手順を踏むか踏まないかで、転職後の満足度が大きく変わるので、急がば回れの気持ちで取り組んでください」とのことでした。
転職の後も人生は長く続きます。今回の転職活動で手抜きをした為に、不満のある転職・転職を失敗した話をMさんからも聞いています。
何社も登録するのを面倒くさがらず、今を頑張っていきたいですね。
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