キャリアコンサルが教える退職理由を告知する時の上司のパターン分析と対策

退職を今から上司に告げようと思っている方に、当サイトのお手伝いをしてくれているキャリアコンサルから次のことを、まず考えてほしいと言われました。

「退職理由を上司に告げる事」
これはあなたには人生に1度の大イベントかもしれませんが、会社・上司にしてみれば何度も発生しているイベントです。当然、その対策方法・引き留めノウハウが準備されています!

ということです。

そうなんです。上司からすれば、退職したいということは慣れっこで経験があるのです。あなたより間違いなく上手(ウワテ)なのです。引き留め対策を持つ上司に、あなたが無策で退職理由を告げても、反論されズルズルと辞めれないことがあります。

キャリアコンサルが転職のお手伝いをしてきた中には、せっかく転職が決まっていたのに、上司の引き留め対策にまんまと載せられ、転職を思い止まった方もいたそうです。
(*退職を告げた後に、引き留めで会社に残るのはオススメしません。詳しい理由はこちら)

なので、今回は上司が行うよくある引き留め対策の3つのパターンを解説します。相手(上司)の策を知って、相手への対抗策を練りましょう!

パターン① 泣き落とし・情に迫る上司タイプの解説と対策

「会社を辞めないで!お願い!」
「一緒に頑張って成果上げてきたの思い出してよ」

キャリアコンサルの方によれば、上記のように情に訴えてこられて困っている相談者が多いそうです。これは後に解説する脅迫型なんかより対策が楽です。

確かに、今までの思い出や積み重ねた成果を考えると、気持ちが揺らぐことはあります。ですが、あなたの人生は、あなた自身が舵を切る必要があります。

「僕は何の為に退職するのか?」
ということを自分の胸に問いかけ、一時の感情に流されないようにしましょう。そして、上司にしっかりと
「●●をやりたい為に辞めるのです」
「●●の理由でこの会社で働けないです」と伝えましょう。

また、このタイプの上司は、翌日から急に態度が優しくなることがあります。

「今まで苦労かけて本当にすまない。何かあったら相談してくれ」

このように、親身アピールをしてきますが、一時的なものであったり、上司自身の評価に関係するので辞めさせたくないというあくまで「自分(上司)の為」の行動なので、心を揺るがさずに、アナタの意志を通しましょう。

パターン② 不満を改善してくる上司タイプの解説と対策

退職理由を告げた時に、その改善案を出してくる上司もいます。

給料が安い → なら、給料をアップする
残業が多い → これからは残業を減らす
人間関係が悪い → 部署替えをする

このように提案してくれます。「不満を改善するから、残ってくれ」ということです。これもかなり相談例としては多いそうです。

この改善案、非常に魅力的ですが……

そもそも、上司にそんな権限があるのでしょうか?上司の一存で給料や残業・部署など変えれるわけがありません。仮に話したのが権限がある人だったとしても、あなただけ特別に給料を上げたら、他の社員はどう思うでしょうか?

「なら、俺も辞める!嫌なら給料上げてくれ!」と給料=人件費が増えて会社は大打撃です。もし、本当に改善するとしても、かなり長期的な話でしょう。すぐに部署替えできるはずはなく、残業を減らすのも会社全体で業務を効率化する必要があるからです。

このような理由から改善案がどんなに魅力的であっても信用してはいけません。上司の信用も落ちてしまうので、一気に辞めきってしまいましょう!

パターン③ 脅迫してくる上司タイプの解説と対策

まれにあるのが「君が辞めたら今のプロジェクトが滞り、客先に迷惑がかかる。その分を請求するぞ」という、脅しかけて辞めさせないパターンです。

「法的措置を取るぞ!」なんて言われたら、誰だって弱気になります。しぶしぶ働き続けて、体を壊してしまった例もあったとキャリアコンサルの方が話もしていました。

まず、言えることですが、客先が迷惑を被っても、社員のせいではなく、会社側の問題と見なされるようです。つまり、訴える根拠としては薄いのです。

さらに、民法第627条第1項で、「雇用は解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する」と規定されており、今回のような脅して、無理やり働かせることは法律で禁じられています。
もっと言えば、【職業選択の自由】があります。脅しに屈する必要はないのです。

なので対策として、頭に入れておくことは「退職は労働者の正当な権利」ということ。

大事なことは辞めれる権利を持っていることを知った上で「そのような発言は脅迫ではないですか?」と言える、強い意志です。何を言われようと淡々と退職の手続きを進めていきましょう。

中には派生型として「退職届を受け取らないぞ!」というパターンもあるそうですが【民法627条に違反ですよね?お受け取りください。】と強気で行きましょう。

長々と書きましたが脅迫された時、一番効果的なのは「労働基準監督署に相談させていただきます。」会社は労働基準監督署が怖いですからね。不当に辞めさせてくれないのであれば、この一言がベストです。

まとめ

上司が引き止める3つのパターンを解説しましたが、細かく分ければまだまだありますが、この3つの派生系です。あなたが上司に退職理由を言われた時に、「こう言われたら、こうしよう!」とあらかじめ話す流れを決めておくと、上司の反論にパニックにならず、落ち着いて対処していけます。

パニック状態だと自分の言いたいことも言えずに、会社を辞めれないことになりかねません。

箇条書きでもいいので、3タイプの対処法を参考にあなたなりに書き出してみましょう。それだけで退職での話し合いがスムーズになるのでオススメです。

パターン3の脅迫してくる場合は別ですが上司・会社への感謝と尊敬を忘れずに対処法・断り方を考えていくのが円満退職をする為のポイントになります。

円満退職の関連で「退職理由を言う時にやってはいけないこと(上司編)」も役に立つと思いますので参考にしてください。

また、こちらのカテゴリーでも引き留め工作について解説しているので、参考にしてみてください。

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