人材コーディーネーターに聞いた【転職エージェントとは?】

当サイトには転職エージェントの体験談や履歴書・職務経歴書の書き方のノウハウを調べに来る方が大勢います。それらの方から「転職エージェントって、そもそもどんなサービス?」という質問があるので、今回、人材派遣会社で働く人材コーディーネーターのMさんに、疑問をぶつけてみました。

まずは転職エージェントとは?

転職エージェントとは簡単に言えば「転職希望者の職歴・学歴・キャリアから、その人に合った求人企業を紹介してくれるサービス」です。

『転職サイト(例:リクナビNEXT)』だと、希望職種などの条件を入力して自分で企業を探します。

ですが、『転職エージェント(例:リクナビエージェント)』では担当のキャリア・コンサルタント(キャリア・アドバイザー)に面談で学歴・職歴・要望を伝えることで、希望に沿った会社を紹介してもらえます。

また、履歴書などの書類の指導や面接対策、面接日の調整、給料の交渉など、転職サイトではしてもらえないサービスを受けれる特徴もあります。もちろん、すべて無料です。

管理人

どうして転職サイトと比べて、これほど手厚いサービスが無料で行われるのでしょうか?

それは、転職エージェントのビジネスモデルが関係してきますので、紹介します。

使う上で知っておきたい転職エージェントの報酬制度・ビジネスモデル

まず、知っておきたいのが転職エージェントのビジネスモデルについてです。

管理人

これは「転職エージェントで働く人達の給料がどこから出ているか?」ということですよね?

そうです。転職エージェントのキャリア・コンサルタントのお給料の出処です。

管理人

無料で色々してくれますからね。逆に無料なのがちょっと不安になるくらいです。

実は転職エージェントの収益は、転職を成功させると、その転職者の年収の約3割が仲介手数料として入社した企業から支払われます。

仮にA君を年収600万円の契約である企業に入社させたなら、200万円が転職エージェントの収益となります。

  • 転職エージェントは一人でも多くの人に内定を取らせたい。
  • 転職希望者はとにかく内定が欲しい。

この両者の思惑が一致することで成り立っています。

管理人

転職希望社とエージェントは良いのですが、企業は負担を強いられてるとも思うのですが…

そうでもないですよ。企業にもメリットがあります。

大手の転職サイトに求人を載せると1ヶ月数十万円の広告掲載料が必要です。当然全く反応が無くても料金は発生します。
また、応募者が大量に来てしまうと、書類選考や面接で多くの人員・時間が割かれ、人件費がかかることになります。しかも、求める人材が応募してくることは決して多くはありません。

その点、転職エージェントでは採用が決まった時にだけ料金が発生します。また、転職エージェントに「このような能力の人材が欲しい」と条件を伝えておけば、一定の基準を超えた人を紹介してくるので、企業がチェックする負担も大きく軽減できるのです。

管理人

なるほど。企業、転職希望者、転職エージェント、それぞれの利害が一致してるんですね。

転職エージェントを使う3つメリット

管理人

転職サイトより、サービスが充実してそうですが、転職希望者が「転職エージェント、使ってよかったー!」って思えることって何かありますか?

そうですね~、内定率の向上、非公開求人の開示、面倒な作業の代行、は絶対喜んでもらえますね。

管理人

ほうほう、そこをもうちょっと詳しく教えてください。

転職エージェントからの紹介は信頼度が高く内定率が高い

転職エージェントを利用すると内定率が高いと言われています。

先ほども話しましたが、転職エージェントの収益は「転職希望者が入社できた時」です。なので、エージェント側も「この人は、この企業になら入社できる」と判断した場合に企業を紹介します。全くダメな人を企業に紹介はしないのです。

企業側も、この事を熟知しており「エージェントが紹介してくる人ならある程度の基準は満たしていいるだろう」と考えるので、内定率が高いです。

管理人

エージェントと企業の間で信頼関係があるんですね。

そうです。
また、転職エージェントは企業の採用背景なども把握してますし、過去の経験からくるノウハウで面接対策・書類作成も手伝ってくれるので、ますます内定率は上がるでしょうね。

非公開求人を教えてもらえる!

管理人

非公開求人なんて本当にあるんですか?非公開にせず、公開した方が応募者は集まりますよね。

非公開求人は多いですよ。
選考に時間をかけたくなかったり、同業他社に求人情報を知られたくなかったり理由は様々ですが、非公開にしていますね。転職エージェントが持つ求人の80%が非公開求人の場合だってあります。

なので、転職希望者が探している会社が非公開で求人していた場合、転職サイトを使って自分だけで職探しをしていたら見つからないかもしれません。

非公開求人を知れるだけでも転職エージェントに登録するメリットはあります。

管理人

希望の会社を見逃す可能性があるのは困りますね。非公開求人が見れることで、選択の幅が広がるのはありがたいですね。

面倒な事務作業をやってもらえる!

管理人

僕も転職をしましたが、処類作るのや面接調整とか大変でしたよ…(泣)

転職エージェントを使えばかなり楽だったんですけどね(笑)

履歴書の志望動機とか退職理由は皆が悩んでます。
職務経歴書も初めて作る人が多いのです。特に、何社にもエントリーする方であれば、企業ごとに内容をちょっとカスタマイズするだけで、随分良くなるので、これを知る・知らないでは書類通過率に差が出るでしょうね。

また、面接対策や面接スケジュールの調整、条件交渉もしてくれます。面接の同席もありますね。

管理人

複数社を受けているとメールのやりとり、面接日の調整だけでも面倒くさそうですね…。

面接の同席はビックリしました。前に転職エージェントを利用した方の体験談を聞いたのですが、同席して、さらに聞きにくいことも聞き出していたので、あれはいいですね!

そうです。
同席していれば変に不利な条件にもならないですし、面接官とエージェント担当者が仲良い場合もあるので場が和やかになることも。ぜひ利用してほしいですね。

使う前に知っておきたい転職エージェントのデメリットと対策

管理人

ここまでのことを見ると、転職エージェントを使うことは非常にメリットは多いようですが、逆にデメリットってありますか?

もちろんあります。
上の方で、わざわざ転職エージェントの報酬制度を話しましたが、これがメリットとデメリットも作ってしまうのです。
報酬重視で行きたい企業が紹介されない、転職を急がせる、このような事が起こることが想定されます。

報酬重視で企業を紹介されてしまう!?

管理人

これはなんとなく想像ができますね。年収300万円のA社と、年収600万円のB社に入社できそうならB社を薦めてきますよね。

転職希望者の目的が「給料のアップ」であれば年収600万円のB社でOKです。

でも、中には仕事内容や休日などを重視して仕事を選びたい転職希望者もおり、年収300万円のA社の方が要望に合っているかもしれません。しかし、転職エージェント側としては報酬重視で考えるとB社に入社してほしい。この場合、A社は紹介しないで、B社だけを教えるかもしれません。

管理人

内定が複数でていた場合も、年収の高い企業を薦めてきそうですね。

転職エージェントの報酬が転職成功時の年収に直結していることは必ず知っておいてほしいですね。
これを知らないと、転職エージェントの都合の良い会社だけが紹介され、自分の希望とは違う会社に転職してしまうことがあります。

やたらと転職を急かされることがあるかも!?

管理人

人生の一大イベントですから、転職はじっくりと考えたいって人はいますよね。せっかく転職するなら納得するする企業に入社したいので。

でも、中には報酬をガンガン得る為に、転職を急かせてくる転職エージェントの方もいますね。
転職エージェントの担当者は一度に何人もの転職希望者を相手にしており、効率的に転職・入社させていけば、それだけ稼げます。

転職エージェントからすれば「内定が出ているのに悩んでいる人」を見たら、『はやく決めてほしい!』のが本音でしょうね。

内定を急かせてくるエージェント担当者がいたら、「報酬の為に入社を決断してほしい」という思惑があることを知っておくべきです。

管理人

「こんな良い条件の会社はめったに無いですよ!」って言われたって話を体験者のインタビュー時に聞きましたね。この発言も同じ思惑から何でしょうね。

急かせてくることは確実に知っておくべきですが、どう対応していけばいいですか?

では、次にその対策について考えていきましょう。

デメリット対策:失敗なく転職エージェントを使うための2つの行動指針

管理人

転職エージェントは上手に使えばメリットは沢山あるのはわかりますが、デメリットの本当に行きたい会社が紹介されないとかは困りますよね…
どう対策していけばいいのですか?

上で話したように

  • 報酬重視で、本当に行きたい会社が紹介されない
  • 報酬の為に転職を急かせてくる。ゆっくり悩めない。

このようなことがある【かも】しれないのですが、転職エージェントのメリットを活かし、デメリットを減らす為には『たった2つ』のことをしっかり守れば大丈夫です。

それが

  • 転職の意思決定は転職者にあることを意識する
  • 転職エージェントは必ず複数登録する

これだけなんです。

転職の意思決定は転職者にあることを意識する

転職エージェントが利益を求める為に、年収重視の会社を薦めたり、転職を急かせることはビジネスである以上は仕方ないのかもしれません。
ですが、それはエージェント側の都合であり、転職者が振り回される必要はありません。
転職する・しないの意思決定は自分自身にあるのです。

管理人

そうか。無料で利用して、色々相談までのってもらっているので遠慮がちに考えてましたが、内定後の入社の決定権は自分たちにあるんですね。

本当に立場が有利なのは、転職希望者のあなた達なのです。転職エージェントが強気な態度で押してきたとしても、自分の意志を貫くことが大事なのです。執拗に急かさえても、「自分の人生の大事な決断なので、しっかり考えたい!」と意思決定は変わらないことを伝えきりましょう。あまりにもしつこいようならエージェント会社にクレームも検討しましょう。

転職活動を一緒にするので、転職エージェントのことを全面的に信じる気持ちになるかもしれませんが、内定後はお互いの利害が一致しないこともあるので、ぜひ覚えておいてください。

転職エージェントは必ず複数登録してから数を減らす

転職エージェントには上述のように、利益重視で薦めてくる・急かせてくる等のデメリットを話してきましたが、それが行われるかどうかは、転職エージェントの【担当者】次第です。

1つの転職エージェント会社の中にも、利益重視で結果を求める人もいれば、転職希望者の気持ち重視で働く人もいます。要は転職エージェント選びは、会社の特徴も大事ですが、最終的には担当する人の質や相性が重要になってくるのです。

そして、担当者の質を見分ける手段が、複数の転職エージェントに登録することなのです。
最初に4~6社くらいに登録し、エージェント担当者と面談して、1~2社に絞っていくと良いです。
担当者によって、持っているノウハウが異なるので、良い担当者を見つけることを重視して欲しいですね。

ちなみに、複数選んだ後、使わないと決めた会社は、断りをいれずに最悪、放置しておいても大丈夫です。

 


 

管理人

長くなってしまいましたが、転職エージェントについて、人材コーディーネーターMさんに詳しく解説してもらいました。

では、次回は、転職エージェントを賢く使うための具体的な方法を色々と解説していただきます。お楽しみに!

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